よろず屋 大江戸記
「おぅっ令一!!目星は付いたかぃ?」
「すいません・・・全くです。」
「そうかい・・・あの身元は分かったのかい?」
「はい。大工の茂吉の旦那んとこの洲藤 大作って奴です。なかなか気のきく腕のいいやつだったらしくて茂吉の旦那、えらい嘆いてましたよ。」
「そうかい。茂吉さんとこのやつだったのかぃ・・・・それがまたなんで・・・・?」
「おーぃ!!中村どの!!!お客人だょ!!!」
中村と令一が振り替えると玄関に越前達がいた。
「なんでぃ弥七は留守番かぃ?」
「今頃いびきでもかいてますょ。」
中村の言葉に神流が答えた。
「それでわからないのは何だぃ?」
「察しはついてるだろうが理由だょ。」
中村が玄関に腰を下ろした越前に言った。
「どうにも分からなくてねぇ・・・・事故にしろ殺しにしろなんだってあんな所まで運んだんだか・・・お前さんら現場には行ったかぃ?」
神流が首を横に振った。
「一度行ってみるといいょ。百聞は一見にしかずってね。」
「そうだなぁ。それで場所は何処なんだぃ?」
「傘屋の通りを真っ直ぐ行けば分かるょ。」
中村が指差した方へ目を向けて越前は頷きゆっくりと立ち上がった。
「そいじゃ荘司さん、夕飯は食べに来ますよね?」
神流は戸を閉める手を止め思い出したように言いう言葉に中村は疲れた笑顔で返した。
「あぁ・・・それまでにこの件が片付くことを祈ってるょ。」
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