吊々-ぶらぶら-
星空の下。
淡い恋の物語。
一人の男が歩いていた
。ふと、マンションの6階の部屋の窓に目を向けると、一人の少女が星を眺めているのが見えた。
次の日も、夜道を昨日と同じルートであるいていると、あのマンションの6階の部屋で、少女が星を眺めていた。
男はその娘に恋をしているんだと気付いた。
二日後、手紙を書いてみた。名前なんてわからないから、帰り道にマンションに直接行って入れておいた。
次の日、返事がきた。
名前は真奈美というらしい。
それからしばらく文通をした。真奈美は病弱なため部屋から出れない事、一人暮らしをしている事…など。
2週間ほど文通をしただろうか。
その日男は、彼女に会いに行く約束をしていた。
夜道を歩いていると、真奈美のマンションの下にパトカーが停まっている。
(まさか真奈美に何かあったんじゃ!!)
男は警官に何があったのか問いただした。
『いや、このマンションの6階に住んでた安藤 真奈美が…』
(やっぱり真奈美に何かあったんだ!!)
『首吊り死体で見付かりました。死亡したのは、2週間くらい前ですかね…なにせ一人暮らしですから、気付く人もいなかったみたいです』
彼女が死んだのは男が最初に彼女を見た日だった。
男が見ていたのは、部屋で首を吊ってロープの角度によって星を眺めてるように見えた安藤 真奈美の死体だった。
なら、文通の相手は一体誰だったのか。
あのまま会いに行っていたら、どうなっていたのか。
-END-
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