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交差点

[138]  ふく  2008-08-02投稿
あなたが何処にいようとすぐに見付けられる自信がある
立ち止まって顔を上げると目に飛び込んで来る大好きなあなたの姿
嬉しくて鼓動が急激に高まって緩みかけた口元が固まる
瞬きが出来ない
目を反らしたいのに外せない
隣で笑う別の顔
私の存在に気付かないあなた
背を向けたくても動かない身体

信号が青に変わる
近付く距離
遠くなる想い
前へ進むことがやっとで肩に力が入る
目を合わさないように懸命に下を向き続けた

すれ違い様に聞こえる明るい話し声
振り返ったら人違いであったらと願った
見覚えのある背中
耳に聞こえたのは確かにあの声

目を伏せても現実が襲い掛かる
気付けば必死で握りしめていた掌に汗が滲んでいた
噛みしめた唇が渇く
自然と溜め息が出る
大きく息を吸ってみても呼吸が乱れる

気を失いそうな程想いが巡る
行き場をなくしてしまった想いも私もどんなふうに楽にすればいいのか分からない

あなたなんか見付けなければ良かった
何も気付かずに下を向いて歩き続ければ良かった

もう何度溜め息を着いただろうか

相変わらずの炎天下
陽射しが肌に痛い
胸も痛くて
もう何が痛いのか分からない

頬に流れる水分が
汗なのか涙なのかも分からない

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