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shy boy ?

[297]  左右対称  2006-05-28投稿
突然の事態にオレは思考が止まり、声も出ず、ただ口をパクパクさせていた。
「…さっきのお礼」
「へ?」
気の抜けた返事をする。あまりにも間抜けなオレを見て、吉川は微笑んだ。
「さっきはかっこよかったのにぃ」
「え?あ、いや…びっくりして何が何だか…」
「あはは」
いつも通り無邪気に笑う吉川を見てほっとした。そして同時に愛しく思えた。
「あそこのベンチに座ろ」
言われた通りベンチに座ると吉川がくっついてきた。
「!お、お前あんまベタベタすんなって!」
「いいじゃん♪」
顔から火が出そうだ…。
「…さっきの大木、ホントにかっこよかったよ」
「…」
「惚れ直しちゃった」
頬を赤らめながら言う吉川を見て、オレは我慢できなくなった。ぎこちない手つきで吉川を抱きしめる。
「…くっついただけで恥ずかしがったクセに」
「…うるせぇ」
「でも嬉しい…ねぇ…今度は大木から…キスして」
「え…」
手を離し、吉川の顔を見るともう目をつぶっていた。心臓がバクバクいう。オレはそっと唇を重ねる。さっきはわからなかった吉川の唇の柔らかさと暖かさが伝わってきた…。

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