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「指人形」第3話

[652]  にしむら珈琲  2008-08-04投稿
「……なぁチカ」

髪をいじりながら、チカは顔だけこっちに向けた。

「俺思うんだけどさ、森君のお父さんて本当に犯人かな?」

黙って首を傾げるチカは、もう興味が無いように
「知らなーい」

「でも異常だよな、自分の息子の眼球舐めてんだぜ…」


昼間、刑事二人が漏らした言葉を思い出す。
「しかし、何ですかねぇ、」
「どうした」

「いや‥この親父さん、さっきからブツブツ言ってるんですよ」

「……気にするな。よく見られる一種の精神障害だ」
「………はあ‥」

ドラマでみた刑事像は、美化されたものだと感じながら、親父さんの口元を見る。

「…アア、ナンデカナア……ナンデカナア」

取り押さえられて頭でも打ったか…。
「チカチャン、チカチャン…アア、アアチカチャン…犯人」



「チカ?……。」


「よし行くぞ」

「それじゃ、ご協力ありがとう」

返事を返す前に、パトカーに乗り込もうとしたので、黙って頷いた。
親父さんの言葉の事より、どうしたら人付き合いがうまくなるのか考えながら、パトカーを見送った。

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