エリザベスドール(14)
初めてバーソロン邸を訪れたルークは、アースルに嘘を付いていた事を詫び、今までの出来事を全て話した。
アースルが注目しているのは、人形に関する不思議な現象である。
ルークが詳しく説明する。
「電話でお話したように、あの人形は自分で動き自分の口で喋るんです。しかも、生身の人間と同じように感情を持っています」
「ただの作りモノの人形が…、信じられない。
今まで、そんな不思議な現象が起きるなんて…考えも付かなかったよ」
「正直言って、僕も今でも信じられない気持ちですよ。何故、人形が動くのか、不思議で」
「娘だよ」
「え?」
「ジーナの霊が人形に憑依しているのもしれない」
「何故、会長のお嬢様が」
「自分が大切にしていた人形を、自分で守ろうとしたのだろう」
「自分で守ろうとした?」
「いつも一人っ子だったジーナにとってエリザベスは、唯一の友達だったんだよ。
その人形が、行方不明になり、骨董屋に売られてしまったとなればジーナも我慢出来ないハズだ。
しかし幸いにも、君が人形を買って大切にしてくれたから心配はなくなった。
ジーナは感謝の思いから、段々と君を愛する気持ちへと変わっていったんだよ」
「それで僕に…」
アースルの話しを聞いて、ルークは真相を理解した。
話しを続けるアースル。
「今のままだと、娘の霊はずっと人形に宿ったまま君を愛し続けるだろう。どこまでも、君を追い求めて来るかもしれない」
「じゃあ…、ジーナと一緒になれば…、回りに迷惑掛けなくて済むかも」
「君の判断には私は賛成出来ない」
「何故ですか?」
「君が一生、娘の霊に振り回されてしまう。
下手をすれば、取り返しの付かない事態になるかもしれない。
それでもイイのかな?」
「…」
「君の人生や将来が、私の娘に依って影響を受けてしまうなんて、シャレにもならないよ」
「じゃあ、どうするんですか?」
アースルは考えた末、1つの決断をした。
「人形を一刻も早く見つけて、焼く事にしよう」
────────
夜…
吹雪の中を歩いて来たエリザベス。
着いた場所は、大きな屋敷の前。
ジッと屋敷を見つめる。
「キャサリン…ロバーツ」
つづく
アースルが注目しているのは、人形に関する不思議な現象である。
ルークが詳しく説明する。
「電話でお話したように、あの人形は自分で動き自分の口で喋るんです。しかも、生身の人間と同じように感情を持っています」
「ただの作りモノの人形が…、信じられない。
今まで、そんな不思議な現象が起きるなんて…考えも付かなかったよ」
「正直言って、僕も今でも信じられない気持ちですよ。何故、人形が動くのか、不思議で」
「娘だよ」
「え?」
「ジーナの霊が人形に憑依しているのもしれない」
「何故、会長のお嬢様が」
「自分が大切にしていた人形を、自分で守ろうとしたのだろう」
「自分で守ろうとした?」
「いつも一人っ子だったジーナにとってエリザベスは、唯一の友達だったんだよ。
その人形が、行方不明になり、骨董屋に売られてしまったとなればジーナも我慢出来ないハズだ。
しかし幸いにも、君が人形を買って大切にしてくれたから心配はなくなった。
ジーナは感謝の思いから、段々と君を愛する気持ちへと変わっていったんだよ」
「それで僕に…」
アースルの話しを聞いて、ルークは真相を理解した。
話しを続けるアースル。
「今のままだと、娘の霊はずっと人形に宿ったまま君を愛し続けるだろう。どこまでも、君を追い求めて来るかもしれない」
「じゃあ…、ジーナと一緒になれば…、回りに迷惑掛けなくて済むかも」
「君の判断には私は賛成出来ない」
「何故ですか?」
「君が一生、娘の霊に振り回されてしまう。
下手をすれば、取り返しの付かない事態になるかもしれない。
それでもイイのかな?」
「…」
「君の人生や将来が、私の娘に依って影響を受けてしまうなんて、シャレにもならないよ」
「じゃあ、どうするんですか?」
アースルは考えた末、1つの決断をした。
「人形を一刻も早く見つけて、焼く事にしよう」
────────
夜…
吹雪の中を歩いて来たエリザベス。
着いた場所は、大きな屋敷の前。
ジッと屋敷を見つめる。
「キャサリン…ロバーツ」
つづく
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