海の見える車窓・settled 02
嘉代は両手で荷物を持ち上げ、汽車とホームの段差を超えようとした。が、巧くバランスがとれない。足下に目をやりながらゆっくり片方ずつ下ろそうとしていると、不意に手の重量感が無くなった。誰かが荷物を引き取ってくれたのだった。礼を言おうと頭を上げようとすると、大きな麦わら帽子を上から被せられた。
「嘉代ちゃんだろ。今日は特に暑い日だから被っといた方が良い。」
とても親しい間柄のように話しかけてくる男声に、微かに聞き覚えはあったが、どこで聞いたかが思い出せず、嘉代は困惑したまま麦わら帽子を被り直し、礼を言おうと男の後を追った。
が、帽子に気を取られもう片方の荷物に足をとられて前につまずいてしまった。しかし、またしても男がしっかりと体を支えてくれたおかげで倒れずに済んだ。さらに嘉代の頭を帽子の上から乱暴に撫でると「変わってないなぁ」と、よく分からないことを言った。
―知り合いなんて居るはずないのに…―\r
嘉代は被せられた麦わら帽子を脱ぐと、前を歩く背の高い茶髪の男に追いついた。と、思いきやスニーカーの紐までほどけて、嘉代は再び躓いた。今度は自分で体勢を立て直せたが、荷物は音を立て倒れてしまった。
「嘉代ちゃんだろ。今日は特に暑い日だから被っといた方が良い。」
とても親しい間柄のように話しかけてくる男声に、微かに聞き覚えはあったが、どこで聞いたかが思い出せず、嘉代は困惑したまま麦わら帽子を被り直し、礼を言おうと男の後を追った。
が、帽子に気を取られもう片方の荷物に足をとられて前につまずいてしまった。しかし、またしても男がしっかりと体を支えてくれたおかげで倒れずに済んだ。さらに嘉代の頭を帽子の上から乱暴に撫でると「変わってないなぁ」と、よく分からないことを言った。
―知り合いなんて居るはずないのに…―\r
嘉代は被せられた麦わら帽子を脱ぐと、前を歩く背の高い茶髪の男に追いついた。と、思いきやスニーカーの紐までほどけて、嘉代は再び躓いた。今度は自分で体勢を立て直せたが、荷物は音を立て倒れてしまった。
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