ソードメーカー10―?
「何故なら、王に毒入り菓子を渡したのがロバートだったからです。しかし、私はそれだけでは罪に問えないと、宰相府に何度も働き掛け、拘留、という形で死罪保留にしたのです」
「…そんな事が…」
「はい。当時はロバートを死罪にする、という意見が圧倒的多数を占めていましたからね。…それからは宰相府の仕事と並行して、犯人捜しを無我夢中でやっていましたよ」
リグラはゆっくりと目を伏せて、一口だけ紅茶を飲み込んだ。
「…牢の中に居るロバートを見るのはつらかった…。最初は『私はやっていない!』と、鉄格子を掴んで、私を睨みながら、そう叫び続けていました。しかし、そのうちに叫ぶ気力が無くなっていき、遂には牢の中で膝を抱えてうずくまってしまった…」
「…そんな…」
「それもこれも、私が宰相府の仕事と並行して犯人捜しをしていたからです。調査は遅々として進まず、結局、真犯人を見つけるのに十年以上掛かってしまった…!」
リグラは唇を噛んで、拳を震わせた。
「その十年の間に彼の妻は病に倒れ、その一人娘も、私が身元引き受け人になろうとした矢先に、二階の窓から落ちて…亡くなりました…」
「え…奥さんと、子供!?」
リリーは驚いて、声を上げた。
「…そんな事が…」
「はい。当時はロバートを死罪にする、という意見が圧倒的多数を占めていましたからね。…それからは宰相府の仕事と並行して、犯人捜しを無我夢中でやっていましたよ」
リグラはゆっくりと目を伏せて、一口だけ紅茶を飲み込んだ。
「…牢の中に居るロバートを見るのはつらかった…。最初は『私はやっていない!』と、鉄格子を掴んで、私を睨みながら、そう叫び続けていました。しかし、そのうちに叫ぶ気力が無くなっていき、遂には牢の中で膝を抱えてうずくまってしまった…」
「…そんな…」
「それもこれも、私が宰相府の仕事と並行して犯人捜しをしていたからです。調査は遅々として進まず、結局、真犯人を見つけるのに十年以上掛かってしまった…!」
リグラは唇を噛んで、拳を震わせた。
「その十年の間に彼の妻は病に倒れ、その一人娘も、私が身元引き受け人になろうとした矢先に、二階の窓から落ちて…亡くなりました…」
「え…奥さんと、子供!?」
リリーは驚いて、声を上げた。
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