一握りの雪 4
玄関を開けると、冷気が流れ込んできた。
パンを手で持ち、落ちないようにする。
「ぅ〜・・・なっくんちの暖かさに身体が慣れたせいでよけいに寒く感じる〜・・・」
マフラーをぎゅ〜っと締め、鞄で膝を隠すようにして先に外に出る。
「うわぁ・・・今日学校行きたくない〜・・・」
パンを一気に押し込み、僕もマフラーをきつく締める。生憎、由香のように防寒完備ではないため、耳や手が異常に寒く感じる。
「それじゃ、いってくるよ・・・」
大きくあくびをし、外に出た。
玄関を出ると、辺り一面が白銀の世界だった。草木は雪をかぶり、道路は車が通った跡がなく綺麗だ。
「ねぇ、なんかさ!」
家の門をくぐった由香がくるりと横に回り、こっちに全身を向けた。
「こういう、真っ白な場所っていいよね?」
笑顔でたずねてきた。たしかに、いくら寒いと言えども、こういう無垢な白が広がった場所も悪くはない。
「私、この白い世界がずっと続いてほしいなって思ってるの」
「へぇ・・・」
「何も変わらない。これからもずっと。なっくんを朝起こしに行って、一緒に学校に行く。学校が終わったら一緒に帰って、たまに遊んだりって」
またくるりと回り、今度は背を向けた。
「でも、やっぱり駄目なんだよね・・・」
パンを手で持ち、落ちないようにする。
「ぅ〜・・・なっくんちの暖かさに身体が慣れたせいでよけいに寒く感じる〜・・・」
マフラーをぎゅ〜っと締め、鞄で膝を隠すようにして先に外に出る。
「うわぁ・・・今日学校行きたくない〜・・・」
パンを一気に押し込み、僕もマフラーをきつく締める。生憎、由香のように防寒完備ではないため、耳や手が異常に寒く感じる。
「それじゃ、いってくるよ・・・」
大きくあくびをし、外に出た。
玄関を出ると、辺り一面が白銀の世界だった。草木は雪をかぶり、道路は車が通った跡がなく綺麗だ。
「ねぇ、なんかさ!」
家の門をくぐった由香がくるりと横に回り、こっちに全身を向けた。
「こういう、真っ白な場所っていいよね?」
笑顔でたずねてきた。たしかに、いくら寒いと言えども、こういう無垢な白が広がった場所も悪くはない。
「私、この白い世界がずっと続いてほしいなって思ってるの」
「へぇ・・・」
「何も変わらない。これからもずっと。なっくんを朝起こしに行って、一緒に学校に行く。学校が終わったら一緒に帰って、たまに遊んだりって」
またくるりと回り、今度は背を向けた。
「でも、やっぱり駄目なんだよね・・・」
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