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花裂く血

[643]  龍王  2006-05-30投稿

双子

それゆえに
こうも惹かれ合うのか

でも分かるのは
許されない

と言う現実




「愛してる…」
「…」

どんなに愛の言葉を言っても聞き入れてくれない。

愛してると繰り返し言い続けると、双子の兄が悲しそうに微笑み、その笑顔で言葉が詰まり、途中で止める。

「………ごめんなさい」

涙目を隠す為にうつ向くと、毎回優しく頭をなでてくれる。

困らせたくない。
傷付けたくない。

あきらめ…ないと…

でも心は思い通りにならない…


「──……愛してるの。ごめんなさい…」


早くこの感情を捨てないといけない。

分かってるのに…

自分ではどうする事も出来ないほど

深く愛している

双子と言う絆を呪うくらい
どうしようも無い感情

でも
互いの道は同じでは無い…


「もう…傍にいて欲しくない。私を愛してくれないなら優しくしないで…秋」
「……冬が…それを願うなら…」


そう言い
兄、秋は私の前から消えた…

私に優しすぎた兄は
最後に私に手紙を残していた


愛していると…
書いた手紙を



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