ソードメーカー10―?
「…やはり聞かされてはいなかったのですね。彼は幼なじみの女性と結婚して、娘一人と一緒に幸せに暮らしていたのです。…あの事件があるまでは…」
リグラは一つ大きく息を吐いて、ぽりぽりと頭を掻いた。
「真犯人が分かり、その者の死罪が決定してから、ロバートは釈放されました。私は釈放の日、彼の元に行って、頭を下げたのです。『君の妻や娘を守りきれなかった。すまない』とね」「そんな…リグラ、それは貴方のせいじゃ…」
「…私は彼から妻と娘をよろしく頼む、と獄中から言われていたのです。それがこんな事になってしまった訳ですから、謝らない訳にはいかなかったのですよ…」
リグラは寂しそうに、言った。
「彼は私を許してくれました。『妻は病弱だったし、娘も事故だった。君のせいじゃない』とね。ただ、彼はもう騎士に復帰する気は無くなっていたようです。…彼は釈放された次の日、私の前から姿を消しましたから…」
リグラは一つ小さくため息をついて、リリーを見た。「君は彼の娘に良く似ている。活発で、笑顔の素敵な女の子だった。…最後の最後で、彼はようやく自分の愛する者を守り抜けたのだ。幸せだったと、私は思うよ」
「…リグラさん…」
リグラは一つ大きく息を吐いて、ぽりぽりと頭を掻いた。
「真犯人が分かり、その者の死罪が決定してから、ロバートは釈放されました。私は釈放の日、彼の元に行って、頭を下げたのです。『君の妻や娘を守りきれなかった。すまない』とね」「そんな…リグラ、それは貴方のせいじゃ…」
「…私は彼から妻と娘をよろしく頼む、と獄中から言われていたのです。それがこんな事になってしまった訳ですから、謝らない訳にはいかなかったのですよ…」
リグラは寂しそうに、言った。
「彼は私を許してくれました。『妻は病弱だったし、娘も事故だった。君のせいじゃない』とね。ただ、彼はもう騎士に復帰する気は無くなっていたようです。…彼は釈放された次の日、私の前から姿を消しましたから…」
リグラは一つ小さくため息をついて、リリーを見た。「君は彼の娘に良く似ている。活発で、笑顔の素敵な女の子だった。…最後の最後で、彼はようやく自分の愛する者を守り抜けたのだ。幸せだったと、私は思うよ」
「…リグラさん…」
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