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残りカスの遺伝子

[564]  夕(ゆう)  2008-08-06投稿
俺は小さい頃から…いや、産まれた瞬間からカスだった。
顔立ちもいい、性格もいい、誰からも愛され、全てが好転する兄貴とは違って、俺はいつも…一人だった。
でも可哀想な奴でいたくない。
同情はいらない。
俺はいつも笑顔でいた。何も悩みがないかのように思われたくて。ずっとずっと、笑顔を作ってきた。今はクセになってる。「笑顔」が俺を隠す。
いつも、はみ出し者で、ゴミのような存在だった。俺は俺を守るために、一番ついちゃいけない、ウソをついた。そしたら…ひとりになった。
家にいれば“オマエナンカイナケレバ”という眼で。
学校では皆と同じでいられない“輪ヲミダスソンザイ”だったから、俺は…俺自信がゴミだと感じたんだ。
誰からも必要とされない。
誰も好いてくれない。
性格は…ハッキリと物言うタイプで、顔も大したことない。
俺には全てを傷つけるトゲがある。
この時俺は12歳だった。産まれてきた事を、酷く後悔した。
悪いとこだらけの俺は、いっそ死んでしまえばいいと、
手を切った。
でも死ねる勇気さえなくて、深く切れなかった。洗剤を飲んだ。
石鹸も食った。
生ゴミを自分の分身だと感じて食った。
やっぱり俺は俺を死なせない。
下痢とか嘔吐をして生き長らえた。
それから夏休みが終わって、また苦痛が続いた。
両親から浴びせられる毒を毎日飲んだ。
兄貴からの情けない物を見る視線も、毎日感じた。クラスの奴らからのイジメも毎日受け止めた。
なんでかな…それでも俺は笑ってる。笑えば何とかなるって、ガキでバカな俺は思ってた。
その反面、酷く恨んだ。
俺と周りの人間に、復讐してやるって。
でも、復讐だけで生きてきた訳じゃない。
俺を生かしたのは…空だった。
ただっ広い、綺麗な空を観たくて、俺はもがいたんだ。
残りカスで造られた、俺の唯一の願い。…どれだけズタボロにされても、上を見ていたい。

あれから時は経って、俺は20歳になった。
今も誰からも好かれないけど、空を見たさに生きてきた。けど…
もうダメかもしれない。目が霞んでる。
あと数ヶ月で見られなくなる。
俺はどうしたらいいのだろう。
やっぱり最後まで…

俺はカスだったんだ。

(*これは実体験をもとに制作したものです。)

感想

  • 11354: ジャンルが日記だから最後の文いらないよ? [2011-01-16]
  • 11421: 好かれる努力したら? [2011-01-16]

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