奈央と出会えたから。<186>
大掃除って誰が考えたんだろ。
パタパタパタパタ――
ハタキを掛けるあたし。
ひぇっ‥ほ、埃がっっ。
ふ‥ふ‥‥ふぁっくしょん!!
あ〜もうっっ!!
サイテ〜!!
やだ‥鼻水が。
あたし、見事にアレルギー性鼻炎かも。
掃除をしながら、あたしは聖人のコトを考えていた。
聖人。今頃何してるかな。
冬だから大好きなバイクは乗れないし。
勿論、新谷先輩と大沢先輩も、御自慢の車には乗っていないと思うし。
聖人は、スキーやスノボは、やらない。
運動神経がいいから、きっと上手いんだとは思うケド。
確か体育だけは5なのよね。
出席日数少なかったのに、何故?!
どぉして?!
あたしは体育では、2か1しかとったコト無いから、凄く羨ましいんだ。
運動神経のいい人が。
前に聖人にこの話をしたら、
『仕方ないじゃん。五段階評価って、人数決まってんだからよ。』
なんて言ってた。
うん、それはそうだけどっっ。
ふと、窓の外へ目を向けた――
今日も外は雪だった――
よく降るなぁ。
今年は特に。
この降り方じゃ、明日の朝までにかなり積もりそう。
元旦早々“雪かき”なんて嫌だなぁ。
大掃除にそろそろ飽きてきたあたしは、窓から外の景色を眺めつつ、一人物思いに耽ていた。
そう言えば――
クリスマス会の帰り道――
聖人が言ったあの言葉は、あたしの聞き間違いだったのかな。
“ナオガホシイ――”
あたしの中で、ひとつの不安がよぎった。
あたしの過去のコト――
聖人はどう思っているんだろう――
あの日、“あの男”に犯され、苦しめられてきたあたしのツライ過去。
こんな汚れたあたしを、聖人は一体どう思っているのかな。
嫌だ。聖人にこんな汚れた体、見せられる訳ないじゃん!!
見せらんないよっっ!!
それに、あたし自身、聖人を受け入れられるのだろうか。
分からない。
分からないよっっ。
い‥いや‥‥や‥やめてっっ!!
やめてえぇぇぇ―ー‐
感想
感想はありません。
「 麻呂 」の携帯小説
- 奈央と出会えたから。<434>
- 奈央と出会えたから。<433>
- 奈央と出会えたから。<432>
- 奈央と出会えたから。<431>
- 奈央と出会えたから。<430>
- 奈央と出会えたから。<429>
- 奈央と出会えたから。<428>