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エリザベスドール(17)

[657]  ぐうりんぼ  2008-08-08投稿
翌日…、

ルークは学校が終わるとシェリーと一緒にロバーツ家の自宅を訪れた。

ルークにとっては初めての自宅訪問。

だけど、深刻な事態になっているだけに気分が冴えない。

(こんな事態で、ガールフレンドの家を訪れる事になるなんて…)
─キャサリンが昨夜、自宅で強姦に襲われ、ショックで気を失っている─

シェリーがクラス担任から聞いた話しだ。


2人が邸宅を訪れてみると、キャサリンはリビングのソファに座っていた。

少しやつれた様子で、顔はうつむき加減。

ジッと、視線を一点の方向に向けたままである。

何度も話しかけても無反応だとマルスは説明する。

深刻な表情を見せるルーク。

「彼女はいつから、こんな状態に!?」

「今日の昼ぐらいからかな? それまでずっと、気を失っていたんだけどね。今じゃあ見ての通り、食事さえも殆とんど取らず…ずっと、こんな状態サ」

「っで、犯人はどんな人物だったんですか?」

マルスが答えようとした時、警察が来た。

「やあ、ルーク。来てたのか?」

何とモグレ警部である。

「モグレ警部、犯人は捕まったんでしょうか?」

「まだだよ。丁度、良かった。君に聞きたい事があるんだ」

この後、ルークは別室で1人、事情聴取を受け始めた。

1人残ったシェリーはその場に跪き、キャサリンの手を取った。

頬を撫でながら話しかける。

「私よ。分かる?」

「…」

反応ナシ。

「怖かったでしょう?
でも大丈夫よ。きっと、警察が犯人を捕まえてくれると思うから」

別室で…、

「ルーク、コレ見たまえ」

警部はビニール袋に入っている布キレを見せた。

「エリザベスが着ていたのと同じ種類の生地だ。
コレ、どこにあったんですか?」

「被害者の傍に落ちていたよ」

「犯人が着ていた衣類でしょうか?」

「恐らくね。父親のマルスさんによると、犯人はフランス人形のようなコスチュームを着ていたと言うんだ」

「エ!?」

驚くルーク。

「しかも犯人は、君の恋人だと言っていたらしい」

「…」

「若い女性の声で喋っていたと言うから、犯人は君と同年代の女性だと見てイイだろう。
そこで君に質問する。
犯人に心当たりはないかね? 何でもイイ」

「犯人は恐らく…、エリザベスです」


つづく


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