最低な気持ち
寒い冬
彼女に振られ、心も冷たくなった。
振られた理由は価値観の違い。
彼女は好きな気持ちより相違の違いを取り、別れを告げ去った。
止めない俺も
その程度の気持ちだったのか
彼女を愛していたから追わなかったのか
でもどちらでも結果は同じ
彼女とは別れたんだ…
「……価値観の違い?それは……直しようがなかったの…?」
義理の妹が失恋した自分を慰めてくれている。義妹に対してカッコ悪いかもしれないが、それを考える余力も無く、ただ気落ちしている。
「──……元気出してね…?」
親の再婚で義理の兄妹になった妹。お互い小さい時に兄妹になったせいか本当の兄と妹のように仲が良かった。
「…蓮華…?」
「…」
彼女に振られ、目の前で励してくれる義妹がとても愛しく思え、気が付けば妹を抱き締めていた。
そのまま畳に押し倒し、口付けを交す。
「………」
義妹は何の抵抗もせず、そのまま一線を越えてしまった。
暖かいぬくもりを感じながら、目の前の義妹を抱いた。
情事の最中
義妹は一度として止めてと言わなかった…
一度だけの行為のその後
義妹は普段と変わり無く接してきた。
責めの言葉も怒りの言葉も悲しみの言葉も
何ひとつ言わず
何も無かったように振る舞い、自分もそれに習った。
「……鞠花」
「何……蓮華兄さん」
あまりに平静な態度
謝る事すら出来ず自分だけが気まずい。
「…何でも…無い」
それから数か月後
春の近い時期
「ごめんなさい。もう一度やり直したいの…」
「……」
「あなたが好きな気持ちは嘘じゃない。私…もう一度あなたと…」
別れた彼女が再び付き合いを望む…
でも頭に在るのは
義妹、鞠花だった。
「──……いいよ」
でも口から出た言葉は、正反対の気持ちだった。
彼女と再び付き合う事になった晩
義妹が
「……彼氏が出来た」
そう淡々と言った。
一瞬胸が掻き乱され、目の前の義妹を壊したくなった…
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