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血の絆

[632]  龍王  2006-05-31投稿

満月の夜。

1面の草原地に一人、少年が佇んでいた。装束のような和服を着ている少年は、顔が整い美しい容姿をしている。片手に刀を携え、満月の下、草原に佇む姿に目を奪われそうだった。目を瞑っていた少年が目をゆっくり開く。
「──……狛」
己しかいない草原の地で、少年が言葉を発すると無風だった草原に一陣の風が吹いた。
「何〜♪蒼眞♪」
風が吹いたと同時に、獣の耳と尻尾の生えた少年がフワッと宙にいきなり現れた。
「狛…」
蒼眞と呼ばれる少年が指を指すと、獣耳を持つ狛と言う少年が指の先に目を向けた。
「うわぁ♪今日もすごいね♪」
誰もいなかった草原地は、いつの間にか異様なモノで囲まれていた。
泥のような固まりで人型の形をした怪物が無数、蒼眞と狛を取り囲んでいた。
手足のような部位は変な方向に折れ曲がり、奇怪な奇声をあげながら二人に迫ってくる。
「狛…頼む」
「オーケイ♪任せて♪」
そう言うと、人指し指だけを立てた手を天に真っ直ぐ伸ばした。
『雷羅招来!!』
狛の発した言葉と同時に天から無数の落雷が落ち、怪物にぶつかった。怪物は雷に射たれ粉砕した。一瞬で怪物を倒した狛が笑顔で蒼眞に抱きつく。
「相変わらずエグい悪鬼送ってくるね〜♪でも今日のは数が多すぎかな?ねっ蒼眞」
「…」
蒼眞は黙り、何も話さ無い。狛は首を傾げ、宙をフワッと移動する。
「じゃあね、契約は〈力〉を貸すだけだからもう帰るよ?」
「ああ、ご苦労様」
「うん♪またね蒼眞」
狛は笑顔で言うと、フッと姿を消した。
草原には再び蒼眞だけになった。
「──………この呪いのせいで…」
蒼眞は左を憎々そうに睨みつけた。
手には逆十字架と星の痣が刻まれていた。

「……許さない…殺してやる」


蒼眞は呪いをかけた憎き敵を追い続けていた。
呪いのせいで寄って来る悪鬼を倒しながら…


感想

  • 1390: この後の話はまだ色々ありますι読んで下さった方ありがとうございました♪作者 [2011-01-16]

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