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夢支配人〜正夢?〜

[913]  栗乃  2006-05-31投稿


弓を見ていた少女の目は、冷めていた。



         それはまるで、これからの悲劇を知るように……。


正夢〜?〜

「弓! おっは!!!」

のりが大きな声で挨拶する。弓は顔を上げた。

「おはよ〜……」


その元気のない声にのりは吃驚した。
いつもは元気がありすぎ! て程、元気な弓なのに今は全然、元気じゃないからだ。

「元気ないよ〜?? どうしたの?」

のりが心配そうに聞く。
弓は顔を上げて、
「また、変な夢見た」
と呟いた。

「まさか、この前と同じのー??」

のりが興味深そうに聞く。
弓はこう答えた。

「でも、ちょっと違ったよ」

弓が見た夢はこうだ。


『死ぬ決心がついた? そうすればメニューは取り消しにするけど』
少女が聞く。
「ありえないわ! こんな事で死んで溜まるもんですか!!」
弓が必死に抵抗する。
『もうメニューの取り消しは出来ないわよ……。
 自分が今言った事、よーく覚えておきなさいね』


そこで目が覚めた。
今回も意味が判らない夢だった。

「単なる夢。”正夢”なんて言葉、信じられないわ」

弓は一言呟き、学校の靴箱へ向かった。

自分の靴箱を開くと、そこには手紙が入っていた。

「ラブレターじゃないのー? じゃ、先教室行っとるにー」
「……うん……」

のりが行った後、不安ながらもその手紙を開いた。




『明日から夢と同じことが起こります……。
 よーーーーく、注意しておく事ね』



その内容は、恐ろしいと怖いのどちらにも当てはまらない不気味な手紙だった。

続く

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