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レイとの出会い。10代のえり。4

[716]  ユキ  2006-05-31投稿
女はすぐにあたしだとわかったようで
ただただ泣くあたしにコンビニに来るように言った。
また闇の道を走る。
あのコンビニにむかって…。

女はすでに来ていた。あたしを見るなりとても優しい目で『乗りな』
と言いバイクを指差した。
女のバイクはまだ真新しく
バイクに乗るのが初めてのあたしは緊張した。
そんなあたしの頭に女は手をのせ
『大丈夫だから。』
と言った…。

バイクは闇の道を走り抜ける。まだ冷たい風をあびながら。
気持ちいい…。
そう思った。悩みなんか吹き飛んでくような
これまでにない快感をあじわった。
女は無言のまま目的の地に進む。
あたしはどこでも良いから
母がいない世界に行きたかった…。


海に着いた。
まだ泳ぐには早い季節だったが
見るには心に安らぎを与える季節だった。
女とあたしは砂浜に座る。
海が初めてのあたしは
波の音を聞きながら
母の話をする。
『ずっと…母はあたしがきらいだった…。』
女はだまって聞いている。
『いつもいつもあたしを殴って…かわいがられた記憶なんかない…。』
女はタバコに火をつける。
『あたし…今日初めて母に口答えして…殴られて…思わず花瓶を…』
女は言う。
『あんた 一緒にすまないかい?』

続。

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