エリザベスドール(19)
その後、簡単な聴取を済ませるとモグレ警部は帰った。
ルークは憮然とした表情で警部を見送った。
「ルーク」
シェリーがやって来た。
「キャサリンの様子は、どう?」
「相変わらずよ。ずっと、放心状態」
「そっかァ」
暗い気分のルーク。
「警部さんとのやり取り、聞かせてもらった」
「シェリーはどう思う?」
「エリザベスと言う動く人形の事?」
「警部さん、信用してくれなくて。頭に来るよ」
「あんな超常現象、信じろって言う方が無理かもよ。自分の目で確かめないと、納得しないと思う」
「…」
「安心して、私は信じてるから」
「でもシェリーはまだ、人形が動いているところを見てないだろう?」
「実は昔、似たような現象を目の当たりにした事があるのよ」
「え? あるの?」
「私が3歳の頃だったかな? 隣街の古い人形館に遊びに行った時、誰もいない展示室で1体の人形が踊っているのを見た事があるの」
「ヘェ、怖くなかったかい?」
「別に怖くなかった。
タネも仕掛けもなくて、本当に生きているみたいに動いていたから、不思議だったわねェ。
ね、エリザベスの写真か何か、持ってる?」
「写メなら、あるけど」
「見せてくれる?」
ルークはケータイを取り出すと、データフォルダーを開いた。
「コレだよ」
画面に見入るシェリー。
「似てるわね」
「似てるの?」
「衣装も何もかもソックリ。その人形の名前は知らないけど、姿形はウリふたつよ」
「あの人形、A骨董屋に置かれる前は行方不明になっていたみたいだから多分、シェリーが見た人形はエリザベスだよ」
「もしそうだったら、もう一度…会ってみたいわね」
「会ってもイイけどォ、凄く危険だよ」
「キャサリンを殺そうとしたから?」
「それだけじゃない。あの人形は…」
つづく
ルークは憮然とした表情で警部を見送った。
「ルーク」
シェリーがやって来た。
「キャサリンの様子は、どう?」
「相変わらずよ。ずっと、放心状態」
「そっかァ」
暗い気分のルーク。
「警部さんとのやり取り、聞かせてもらった」
「シェリーはどう思う?」
「エリザベスと言う動く人形の事?」
「警部さん、信用してくれなくて。頭に来るよ」
「あんな超常現象、信じろって言う方が無理かもよ。自分の目で確かめないと、納得しないと思う」
「…」
「安心して、私は信じてるから」
「でもシェリーはまだ、人形が動いているところを見てないだろう?」
「実は昔、似たような現象を目の当たりにした事があるのよ」
「え? あるの?」
「私が3歳の頃だったかな? 隣街の古い人形館に遊びに行った時、誰もいない展示室で1体の人形が踊っているのを見た事があるの」
「ヘェ、怖くなかったかい?」
「別に怖くなかった。
タネも仕掛けもなくて、本当に生きているみたいに動いていたから、不思議だったわねェ。
ね、エリザベスの写真か何か、持ってる?」
「写メなら、あるけど」
「見せてくれる?」
ルークはケータイを取り出すと、データフォルダーを開いた。
「コレだよ」
画面に見入るシェリー。
「似てるわね」
「似てるの?」
「衣装も何もかもソックリ。その人形の名前は知らないけど、姿形はウリふたつよ」
「あの人形、A骨董屋に置かれる前は行方不明になっていたみたいだから多分、シェリーが見た人形はエリザベスだよ」
「もしそうだったら、もう一度…会ってみたいわね」
「会ってもイイけどォ、凄く危険だよ」
「キャサリンを殺そうとしたから?」
「それだけじゃない。あの人形は…」
つづく
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