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ロイド×ロイド

[560]  春日飛鳥  2008-08-12投稿
 耳障りな叫び声で目を覚ました。こんな声を断末魔の叫びとでも言うのだろうか。まだ軽く耳鳴りが続いている。
外で何かあったのか?そう思い二階の窓から下を見下ろしてみた。だが特に騒ぎは起こっていない。夜の冷たい風が顔を刺すだけだった。
「ったく、嫌な目覚めかただ」
 何かあったのか?そう思い一階へと歩みを向ける。
階段を下りて行くと、一階から物音が聞こえてきた。
どうやら両親も起きだしたようだ。
「なあ、さっきの叫び声なんだったんだ?」  「……」
 返事がなかった、結構大きな声を出したつもりだったけど、あいつら寝ぼけてるのか? そう思い行き先を寝室へ変更する。
ドアは閉まっていたので一応ノックをしてみた。それでも静寂のみが返ってくる。
嫌な予感が思考を走る。少しずつドアを開けてみた−−
隙間から生暖かい風と、「これは……鉄か?」 なぜか鉄の臭いがした。
何故寝室から鉄の臭いが?
そしてドアを開けて最初に目に飛び込んできたのは、赤、赤?
ドアは自然に風で開いていった。そして辺り一面の月明に照らされた
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤、 部屋の中は真っ赤だっ
た。
 「おぇっ」
 あまりにも悲惨な光景に吐いてしまいそうになった。
 そして部屋の中央に人影が立っていた。相当背が高いのか自然と見上げる形になってしまう。そして、そしてソイツの足元には…… 赤の水源である父と母が。
 「あんたが、あんたがソイツらを殺ったのか!」
俺は床に転がる死体を指差す。
少しでも肯定するそぶりを見せれば俺は影に襲い掛かるつもりだった。そして肯定するものだと思っていた。
だが返って来たのは以外な言葉だった。
「残念ながら違う。私が此処に着いた時にはもうここは血溜まりだった」
「えっ?」
思わず聞き返してしまった。
だって血溜まり、血まみれの、血みどろの、血祭りな、死体達の上に君臨する影なんて、犯人以外ありえないじゃないか。
だがそこで俺は堪えられずに床に吐瀉物を撒き散らしてしまった。

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