エリザベスドール(20)
「…ジミーを殺した」
「らしいわね」
「この話しも聞いてた?」
「うん、しっかりと。
でも信じられない。
エリザベスがカレを殺したなんて」
「ルーク」
マルスがやって来た。
「ロバーツさん」
「ちょっとイイかい?」
「何ですか?」
マルスはしばし、間を置いて話しを進めた。
「症状が完全に良くなるまで、娘を専門の医療施設に入れる事にしたよ。
その方が娘の為にイイと思うからね」
「それがイイかもしれませんね。入院したら、連絡先を教えて下さい。時々、見舞いに行きます」
マルスは、固い表情で言った。
「それは、ダメだ」
「何故ですか?」
「君がモグレ警部に話していた通り、娘は人形の姿をした化け物に殺されそうになった。
実は、娘は気を失う直前に私にこう言ったんだ。
あのエリザベスと名乗る化け物人形は、ルークの恋人だ…ってね。
つまり娘は、君と付き合っている理由で化け物人形の怒りを買い、命を取られるハメになってしまったと言ってもイイ。
となるとだ…、君がずっと、娘と付き合うとなれば、化け物人形も黙っちゃいないハズだ」
「僕にどうしろと?」
「ハッキリ言おう。
娘との関係は、無かった事にして欲しい」
「キャサリンと別れろって事ですか?」
「そうだ。折角、娘と付き合えたのに…非常に残念だけどね。私の要請に素直に従って欲しい」
マルスとルーク、しばし…互いに見つめ合った。
「じゃあ、キャサリンに最後の別れをさせて下さい」
「ああ、構わないよ」
────────
リビングに入って来たルーク。
キャサリンは座ったまま、ジッと目を閉じていた。
ルークはキャサリンに歩み寄ると、しゃがみ込んで相手の手を取った。
「気分はどう?」
「…」
勿論、キャサリンは無表情・無反応である。
「君を大変な目に遭わせて、ゴメンね。……………全て僕のせいだ。
……………………
君は専門の病院に入院する事になった。
……早く元気になる事を僕は祈ってるよ」
「…」
「新しいボーイフレンドが出来る事もね。
………僕はもう、君と別れなくちゃならない。
短い間だったけど、凄く楽しかった…」
「…」
「さよなら…、キャサリン…」
ルークはキャサリンの手をゆっくりと離した。
すると、キャサリンは無意識にルークの手をサッと掴んだ。
つづく
「らしいわね」
「この話しも聞いてた?」
「うん、しっかりと。
でも信じられない。
エリザベスがカレを殺したなんて」
「ルーク」
マルスがやって来た。
「ロバーツさん」
「ちょっとイイかい?」
「何ですか?」
マルスはしばし、間を置いて話しを進めた。
「症状が完全に良くなるまで、娘を専門の医療施設に入れる事にしたよ。
その方が娘の為にイイと思うからね」
「それがイイかもしれませんね。入院したら、連絡先を教えて下さい。時々、見舞いに行きます」
マルスは、固い表情で言った。
「それは、ダメだ」
「何故ですか?」
「君がモグレ警部に話していた通り、娘は人形の姿をした化け物に殺されそうになった。
実は、娘は気を失う直前に私にこう言ったんだ。
あのエリザベスと名乗る化け物人形は、ルークの恋人だ…ってね。
つまり娘は、君と付き合っている理由で化け物人形の怒りを買い、命を取られるハメになってしまったと言ってもイイ。
となるとだ…、君がずっと、娘と付き合うとなれば、化け物人形も黙っちゃいないハズだ」
「僕にどうしろと?」
「ハッキリ言おう。
娘との関係は、無かった事にして欲しい」
「キャサリンと別れろって事ですか?」
「そうだ。折角、娘と付き合えたのに…非常に残念だけどね。私の要請に素直に従って欲しい」
マルスとルーク、しばし…互いに見つめ合った。
「じゃあ、キャサリンに最後の別れをさせて下さい」
「ああ、構わないよ」
────────
リビングに入って来たルーク。
キャサリンは座ったまま、ジッと目を閉じていた。
ルークはキャサリンに歩み寄ると、しゃがみ込んで相手の手を取った。
「気分はどう?」
「…」
勿論、キャサリンは無表情・無反応である。
「君を大変な目に遭わせて、ゴメンね。……………全て僕のせいだ。
……………………
君は専門の病院に入院する事になった。
……早く元気になる事を僕は祈ってるよ」
「…」
「新しいボーイフレンドが出来る事もね。
………僕はもう、君と別れなくちゃならない。
短い間だったけど、凄く楽しかった…」
「…」
「さよなら…、キャサリン…」
ルークはキャサリンの手をゆっくりと離した。
すると、キャサリンは無意識にルークの手をサッと掴んだ。
つづく
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