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エリザベスドール(21)

[609]  ぐうりんぼ  2008-08-13投稿
「キャサリン!?」

驚くルーク。

耳元にキャサリンの声無き声がした。

─ルーク! ルーク!
行かないで! アナタと別れたくない!─

「ヒュー♪」

近くで様子を見ていたシェリーは思わずニヤリと微笑んだ。

放心状態になっても、キャサリンの魂がルークへの思いを強めている事をシェリーは実感したのだ。

シェリーはルークに言う。

「キャサリンとサヨナラするなんて、まーだ早いんじゃないの?」
 ────────

街を見下ろす小高い丘の上に建つ大きな屋敷。

キャサリンのクラスメートの1人…フレデリカ・アンドリューの邸宅。

丁度、学校帰りのスージー・アクロス、ヘレン・カプリス、ルナ・ライヤーたち友人が遊びに来ていた。

賑やかな4人が集まれば、お喋りに花が咲くのだが…、フレデリカの様子が変である。

ムスッとした表情でコーヒーを飲んでいるフレデリカ。

ヘレンは以前から気になる質問をしてみた。

「いったいどうしたのフレデリカ? ココんとこ、やけに不機嫌じゃない」

「あら、ヘレンは何も知らないの?」

横から言ったのはスージーだ。

「エ?」

スージーに振り向いたヘレン。

「フレデリカはね、キャサリンの事で頭に来ているのよ」

「頭に来ている?」

「ずっと前から恋心を抱いているルーク・ハリーを、キャサリンに取られてしまったからよ」

「フレデリカって、ルークの事…好きだったの?」

ルナが説明する。

「今まで何回も、ルークに交際求めたらしいわよ。でも良い返事をもらった事は1度もなかったみたいね」

「あまり、相手にされなかった。そうだよねフレデリカ?」

スージーの質問にフレデリカはうなづく。

「うん、そうよ」

「そう、それは悲劇ねェ」

同情するヘレンだが、ふと気になった。

「フレデリカは確か…、


つづく


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