携帯小説!(PC版)

夏祭り3

[238]  ルクルト  2008-08-15投稿
金魚すくいは200円で三回挑戦できる。
「これで金魚すくうの?」
金魚をすくう「ポイ」をまじまじと見つめたあとナナはおもむろにポイを水にくぐらせた。
「えい!」
ポイを白い金魚の下に持ってきて勢いよく持ち上げる。
しかし金魚はするりとナナのポイをすり抜けてしまった。
「逃げちゃった。もう一回!」
再度ポイを水につけるがさっきの勢いのせいで紙は破けかかっていたので金魚は真ん中を破いて逃げた。
「失敗しちゃった」
「ナナは勢いが強すぎなんだよ」
今度は僕の番だ。
ポイを水につけてゆっくりと白い金魚の真下に持っていく。
「動くなよー」
ポイで持ち上げて水からあげると金魚は思いっきりバタバタと暴れて紙を破って水の中に戻ってしまった。
「お兄ちゃんも失敗」
「まだもう一回あるよ」
右手にポイを、左手に金魚をいれるお椀を持って白い金魚をじっと見る。
金魚の動きがおさまったのを見計らってすくいにかかる。
「お兄ちゃんがんばれ!」
ポイに乗った金魚は疲れてるのかあまり動かない。
そのまま金魚をお椀に入れようとしたその時、
「あっ!」
金魚はひときわ高く跳ねてポイから逃げていった。

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