海の見える車窓・settled 09
「家事を手伝ってくれれば家賃も何も要らないよ。」
恐らく嘉代と嘉代の父親との関係を分かっていたから言ってくれたのだろう。嘉代は言い尽くせないほど礼を言い、直ぐに父親に仕送りを止めるよう手紙を送った。
「もう返事も来ない。でもすっきりした。」
ある夜、幸一の部屋でふたりでいた時、父親の話になった。
嘉代が何より嬉しかったのは、幸一の家族が実の娘のように自分に接してくれることだった。
幸一の父親はとくに優しかったので、自分の父親とは大違いだと嘉代が言ったのだった。
「嘉代ちゃんさ。来た時より顔が明るくなってる。」
幸せの感覚を、嘉代は母親が亡くなったあの日から忘れていた感覚を、少しずつ思い出していた。
「そう?嬉しい。」
笑いかけると、幸一は窓の方に目を逸らした。
「嘉代ちゃん……色っぽくなったよな。」
急に言われて真っ赤になってしまった顔を見られまいと、嘉代も夜の海の方に目をやった。
「こーちゃんこそ。カッコ良くなっちゃって。好きな人でも出来ましたか?」
冗談混じりで嘉代は聞いたが、冗談では無い答えが返ってきた。
恐らく嘉代と嘉代の父親との関係を分かっていたから言ってくれたのだろう。嘉代は言い尽くせないほど礼を言い、直ぐに父親に仕送りを止めるよう手紙を送った。
「もう返事も来ない。でもすっきりした。」
ある夜、幸一の部屋でふたりでいた時、父親の話になった。
嘉代が何より嬉しかったのは、幸一の家族が実の娘のように自分に接してくれることだった。
幸一の父親はとくに優しかったので、自分の父親とは大違いだと嘉代が言ったのだった。
「嘉代ちゃんさ。来た時より顔が明るくなってる。」
幸せの感覚を、嘉代は母親が亡くなったあの日から忘れていた感覚を、少しずつ思い出していた。
「そう?嬉しい。」
笑いかけると、幸一は窓の方に目を逸らした。
「嘉代ちゃん……色っぽくなったよな。」
急に言われて真っ赤になってしまった顔を見られまいと、嘉代も夜の海の方に目をやった。
「こーちゃんこそ。カッコ良くなっちゃって。好きな人でも出来ましたか?」
冗談混じりで嘉代は聞いたが、冗談では無い答えが返ってきた。
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