エリザベスドール(25)
バタバタン!
部屋の出入り口の大扉が閉まった。
メイド嬢が扉を開けようとしたが、鍵も掛かってないのに開かない!
「お嬢様! お嬢様!
どうなさいました!?
お嬢様! ドアを開け下さいませッ!」
ガチャガチャ!
ドンドン!
メイド嬢は必死になってドアノブを回したり扉を叩くが応答無し。
部屋の中ではフレデリカとディックが恐怖で立ちすくんでいた。
テラスへ通じる窓が開かれ、外の雪まじりの風が吹き込んでいる。
「な、何ィ!?」
フレデリカの目に映るのは、フリルの付いた長めのスカートのドレス衣装に帽子姿の女のコ。
…もとい、等身大の人形だ。
「こ、コイツ…!
ルークが僕の恋人だなんてぬかしていた…エリザベスじゃねえか!
どうなってんだよッ!?」
「ディック、知ってたの!?」
「アイツのウチに飾ってあったからな!」
「飾りモノの人形が何故、動くのよッ!?」
「俺が知るかよッ!」
ゆっくりと2人に近付くエリザベス。
2人は震えながら後退りした。
「チョット、私たちをどうするつもりなの!?」
「フレデリカ・アンドリュー…」
エリザベスは鬼のような形相で、いきなりフレデリカに飛び掛かった。
フレデリカは体当たりされた弾みで後ろへ転倒!
床に仰向け状態になった時、エリザベスが馬乗りになった。
「や、やめて! 何すんのッ!?」
フレデリカは激しく抵抗するが、相手に力強く押さえ付けられて身動きが出来ない。
鋭い眼でフレデリカを睨むエリザベス。
「オマエヲ…! コロス!」
「えッ?」
フレデリカが一瞬気を抜いた時、左胸辺りに強い衝撃を感じた。
断末魔の叫び声を上げるフレデリカ。
ディックは助ける事さえ出来ず、震えるばかり。
エリザベスはゆっくりと立ち上がった。
べっとりと返り血を浴び、衣装は血で真っ赤である。
血でべっとりの両手にはそれぞれ.食事用のナイフが握られている。
フレデリカは目を剥いたまま息絶えていた。
ナイフを床に放り投げたエリザベスはディックの方に振り向いた。
後退りするディック。
喧嘩では誰にも負けないが、化け物人形が相手じゃあ怖くて手が出ない。
逃げるしかない。
つづく
部屋の出入り口の大扉が閉まった。
メイド嬢が扉を開けようとしたが、鍵も掛かってないのに開かない!
「お嬢様! お嬢様!
どうなさいました!?
お嬢様! ドアを開け下さいませッ!」
ガチャガチャ!
ドンドン!
メイド嬢は必死になってドアノブを回したり扉を叩くが応答無し。
部屋の中ではフレデリカとディックが恐怖で立ちすくんでいた。
テラスへ通じる窓が開かれ、外の雪まじりの風が吹き込んでいる。
「な、何ィ!?」
フレデリカの目に映るのは、フリルの付いた長めのスカートのドレス衣装に帽子姿の女のコ。
…もとい、等身大の人形だ。
「こ、コイツ…!
ルークが僕の恋人だなんてぬかしていた…エリザベスじゃねえか!
どうなってんだよッ!?」
「ディック、知ってたの!?」
「アイツのウチに飾ってあったからな!」
「飾りモノの人形が何故、動くのよッ!?」
「俺が知るかよッ!」
ゆっくりと2人に近付くエリザベス。
2人は震えながら後退りした。
「チョット、私たちをどうするつもりなの!?」
「フレデリカ・アンドリュー…」
エリザベスは鬼のような形相で、いきなりフレデリカに飛び掛かった。
フレデリカは体当たりされた弾みで後ろへ転倒!
床に仰向け状態になった時、エリザベスが馬乗りになった。
「や、やめて! 何すんのッ!?」
フレデリカは激しく抵抗するが、相手に力強く押さえ付けられて身動きが出来ない。
鋭い眼でフレデリカを睨むエリザベス。
「オマエヲ…! コロス!」
「えッ?」
フレデリカが一瞬気を抜いた時、左胸辺りに強い衝撃を感じた。
断末魔の叫び声を上げるフレデリカ。
ディックは助ける事さえ出来ず、震えるばかり。
エリザベスはゆっくりと立ち上がった。
べっとりと返り血を浴び、衣装は血で真っ赤である。
血でべっとりの両手にはそれぞれ.食事用のナイフが握られている。
フレデリカは目を剥いたまま息絶えていた。
ナイフを床に放り投げたエリザベスはディックの方に振り向いた。
後退りするディック。
喧嘩では誰にも負けないが、化け物人形が相手じゃあ怖くて手が出ない。
逃げるしかない。
つづく
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