真っ黒なヘリコプターみたいな機械は、僕の上で止まった。強い風が吹き付けてくる。やっぱりヘリコプターに似てるようだ。
そのうち、細長いボディの真ん中辺りが上へ跳ね上がった。そして、人が出て来た。ゴツイブーツとジャケットを着ている。背中に銃みたいなのを背負ってるところを見ると、どうやら軍人とかそういう種類の人らしかった。
「おいガキ。テメェ俺らのシマで何やってやがる？解答しだいじゃ肥料にするぜ？」身を乗り出した男は、僕に向かって大声で怒鳴った。
「歌を、歌を唄ってた。そして走ってた」僕は案外適当に答えた。なぜかこの人は僕を殺さないという自信があった。
はたして
「は？なんだそりゃ、ふざけてんのか？」そう言って、僕を睨み付ける。そして、何かに驚く反応をした。
「おまえ、もしかして地球種の人間か？」
僕は頷く。
「マジでか･･･、こりゃ予想外だな。おい、ガキ。乗れ。今から俺らの長ん所へ行くぜ。きっとあの方も興味を持たれるだろう」男は得意げな口調と表情で言った。

男はワタナベというそうだ。彼らが僕の所へ来たのは、生体センサーに人間の反応があったからだそうだ。そうして僕は変な乗り物に乗って、空を飛んでいる。
途中で、「地球種の人間」とは何かを聞いた。
「そりゃ、地球で生まれた俺達のルーツだ。そんで、まだこの星にも地球種がほんの少し残ってる、らしい」
だそうだ。
そんなこんなで、彼らのアジトに着いた。


「へえ、あんたが地球種の人間？私はイザナミ。こいつらの長をやってる」
彼らの長は、女性だった。

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