恋愛論*28
海にたたずむ老婆がいた。
海を眺めるその姿はもの悲しい様子にも見え、なんとも言えない力強さを感じる不思議な光景でもあった。
一人で立って来た。ずっと耐えてきた。
そう物語っているようだった。
「ずいぶんこの景色が好きなんですね。さっきからずっと見続けていらっしゃいますけど…」亜紀は話しかけていた。
「ああ、そうね。日課みたいなものだから。」
とても品の良い女性だ。
「近くに住んでいらっしゃるんですか?」
「ええ。すぐそこの施設に住んでます。一人ぼっちには慣れているから、私にはとても良い場所なんですよ。」
「とても良い所ですね。色々な事を忘れられそう…。」
「あらあら、若いのに随分ご苦労なさったのねえ」
「いえ。今、これからどうすれば良いかじっくり考えたくて、旅をしてるんです。ここに来て良かった、と思います。人も穏やかで優しいし。穏やかな気持ちになれるから」
「そう。私は長く東京にいたのよ。一人で懸命に生きてきたわ。でもいつかここに来ようと決めていたの。願いがかなって良かったわ」
「そうですか。でも、どうしてここを選んだんですか?」
海を眺めるその姿はもの悲しい様子にも見え、なんとも言えない力強さを感じる不思議な光景でもあった。
一人で立って来た。ずっと耐えてきた。
そう物語っているようだった。
「ずいぶんこの景色が好きなんですね。さっきからずっと見続けていらっしゃいますけど…」亜紀は話しかけていた。
「ああ、そうね。日課みたいなものだから。」
とても品の良い女性だ。
「近くに住んでいらっしゃるんですか?」
「ええ。すぐそこの施設に住んでます。一人ぼっちには慣れているから、私にはとても良い場所なんですよ。」
「とても良い所ですね。色々な事を忘れられそう…。」
「あらあら、若いのに随分ご苦労なさったのねえ」
「いえ。今、これからどうすれば良いかじっくり考えたくて、旅をしてるんです。ここに来て良かった、と思います。人も穏やかで優しいし。穏やかな気持ちになれるから」
「そう。私は長く東京にいたのよ。一人で懸命に生きてきたわ。でもいつかここに来ようと決めていたの。願いがかなって良かったわ」
「そうですか。でも、どうしてここを選んだんですか?」
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