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一握りの雪 5

[341]  レナ  2006-06-01投稿
その声が暗かった。
「人は・・・時間を削ってに成長するんだよね・・・」
何を言い出すかと思ったら、当たり前なことを言った。
だから・・・
「当たり前だよ」
そう普通の返答をした。
「そう、当たり前なの!」
首だけを向け、笑顔で言った。
「だから、今を楽しみたい!いこっ!」
何故、いきなりこんなことを言ったのか、僕には理解できない。
そんなことを考えながら、学校へと向かった。



僕は由香と並んで校庭を歩いていた。。
やはり校庭も白かった。
眩しすぎるほどに白い。
「ふ〜っ、寒い寒い」
手のひらに息を吐く。
これ、ほんの少ししか温かさが残らないんだけどね。
「なっくん!」
背後から隣に居るはずの由香の声がした。
「なっくーん!」
「あ!」
由香はちゃんと隣に居、後ろを向いてハッとしていた。
ということは──
「なっく──もが!?」
「・・・やっぱり」
和人の口を掴む僕の手に力が入る。
「ちょ・・・すと・・・いは・・・あぁ」
和人の目に徐々に涙が溜まり始める。
「な、なっくん!?」
仕方なく手を離す。
「いった〜〜・・・顎外れたらどうするんだよ・・・」
口を抑え、訴えるような目で言った。
「先にいたずらした和人が悪い。僕は全く悪くないよ」

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