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ソードメーカー11―?

[497]  いっと  2008-08-19投稿
ロザラムは砦の執務室で守備隊長と共にラトを歓迎しながら、さりげなく聞いた。
「いや、ちょっとね。実は、調査隊の隊長として、君の意見を直に聞きたいという命令が来てね。忙しいとは思うが、王宮まで来てもらいたいんだが…どうかね?」
「!」
ロザラムはそれを聞いて、目を丸くして驚いた。
「この命令は強制では無いよ。忙しいのであれば、無理強いはしないという事だったんでね」
「…そうですか…」
ロザラムはそれを聞いてしばらく考え込んでいたが、やがて顔を上げて、
「今はまだ調査を開始したばかりで、まだ詳しい事は分かっていません。意見と言われても、まだ自分の中で考えはまとまっていませんし…。申し訳ありませんが、今はまだ王宮に行ける状況ではありませんので…」
と、言って、すまなそうに頭を下げた。
「そうか。そういう事であれば仕方ないな。それではそのように伝えておくよ」ラトは密かに後ろめたいものを感じながら、小さく頷いた。
「では、私はこれで失礼する」
「申し訳ありませんでした」
ロザラムは部屋から出て行こうとするラトに向かって、もう一度深々と頭を下げた。
その下げた頭の裏で、ロザラムは苦い顔をしながら、唇を噛んでいた。

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