携帯小説!(PC版)

トップページ >> ホラー >> スプーンの音

スプーンの音

[936]  ちぃ(☆_☆)  2008-08-21投稿
放課後、教室の掃除あきてきたK太が、そはにいたT男にむかって、「ねぇ、幽霊っていると思う?」

みょうに真面目な顔で声をかけました。
「わかんないよ。見たことないし。 どうしたんだよ、急に幽霊の話なんかもちだして。」

「ゆうべ、変な話をきいたんだ。」

「変な話って?」

二人が話しはじめると、まわりにいた仲間たちも掃除の手を休めて集まってきました。

「K太、その幽霊の話ってどういうの?」

M子がききました。
「自分の近くに幽霊がいるかどうかを判断する方法なんだ。」

「おもしろそう。どうやればわかるの?」

「夜、電気を消して部屋の中を暗くする。そして12時ちょうどに、左手に持った金属のスプーンを後ろに投げるんだ。」

「それから?」

「それだけ。」

「なんだ、そんなことで、幽霊がいるかいないかわかるの?」

「ああ。投げたスプーンの音がチャリンとしたら幽霊はいないけど、もし、音がしなかったらそばに幽霊がいる証拠だって。」

「へーえ、今夜やってみようかな。」

話が盛り上がったところに担任の先生がきたため、みんなはあわてて掃除にとりかかりました。

その夜、大変な事がおこりました。T男が急死したのです。実は、昼間の話をまねて夜中の12時にスプーンを投げたところ、音がしなかったたむ、人一倍おくびょうなT男は、ショックて、心臓発作をおこしたのです。
お葬式の後、K太たち親しかった友達が数人でT男の家をたずねました。お母さんは、友達がきてくれたからといってT男の部屋に案内してくれました。その時、K太はベッドの布団の上にスプーンが落ちているのを見て、内心ドキリとしました。

「あの夜、T男はスプーンを投げたのかもしれない。ベッドの上に落ちて音がしなかったのを、幽霊と思いこんでしまったのではないか。」
家に帰ってからもそのことが気になって、眠れませんでした。実は、この話はK太の作り話だったのです。そして、何を思ったのか、ベッドから起き出すと、台所からスプーンを持ってきました

12時。真っ暗な部屋の中で、K太は後ろにスプーンを投げ上げました。


「?????」

音がしない。

ハッと息を飲んで振り返ったK太の目の前に、スプーンを持ったT男が立っていました。

「K太、君が話していたのは、こういうことだったのか。」
END

感想

感想はありません。

「 ちぃ(☆_☆) 」の携帯小説

ホラーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス