時と空の唄1-8
「私が死ねない体、つまり不老不死になったのは20年前です。」
彼女は遠くを見ながら話し出す。
「20年前、私は魔法の力を人工的に取りだし、別の物に入れ換えるという魔法実験の実験体となりました。」
「魔力を…取り出す?」
「私が選ばれたのは単なる偶然でしたが、実験は失敗しました。」
それから彼女は言った。
不老不死はその副作用であり人間の浅はかな考えへの罰なのだ、と。
「で、それと俺と浄化能力?とどういう関係なんだ?」「浅い呪いや薄い闇を祓う能力を浄化能力、というんです。普通、この能力は特別な鍛練をして身に付けます。しかし、稀に才能として浄化能力を持つ者がいるんです。」
「なるほど。俺…か。」
「ええ。私の調べでは不老不死とは呪いの一種だそうです。そこで、浄化能力を増幅させる物を用いて、この呪いを解くことが出来ないかと。」
「今の話を聞いた上で、勿論無理にとは言いません。私を助けてくれませんか?」
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