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私・・・・

[507]  紫音  2006-06-02投稿
何も考えずに眠りたい。
いつの頃からか、そんな事を思うようになっていた。
昔は、二日位眠らなくても元気だったのに・・・
仕事に恋愛・・・うまく両立出来る程、器用な性格ではない。
そんな事、自分が一番分かっていたはずなのに・・・・
欲張ってしまったのかしら?
ベッドに横になり、天井を見つめる。
“ああ・・・・”
声を出してみる。時々、こうした確認しないと、声が出なくなるのでは、
という妙な不安感におそわれる。
“馬鹿みたい。”
外の雑音が、私を一層孤独にさせる。
眠りたい・・・・

“冷たい・・・”
いつの間にか眠っていたみたい。頬を触ると水でぬれている。
“何これ・・・?”
眠っている間に泣いたのかしら?そんな覚えはないんだけれど。
目を開けるのがおっくうで、体だけ動かしベッドから降りようとした。
そのはずだった・・・・

“何これ!?”
目を開けると・・・・そこは、大きな木の下だった。
訳が分からず、辺りを見回すも誰も居ない・・・
“どうして?誘拐?”
パニック状態。大声で叫んでみるけれど、返事はない。
“もしかして、まだ夢の中にいるのかしら・・・?”
誰も居ないので、独り言も大きくなる。
変な夢・・・・
“冷たい・・・”
見上げると、大きな木の葉から朝露だろうか、水滴が落ちてくる。
“夢にしては、リアルなのね・・・・”
変な事に感心してしまう。
とりあえず、歩き出そう。
どこへ向かったらよいのか分からないが、ここにいても仕方ないので、
“前”へ進む事にした。

大きな木から離れて、歩き出したものの回りは森。見た事もない森だった。
≪続く≫

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