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奈央と出会えたから。<198>

[557]  麻呂  2008-08-24投稿

そんな風に布団の中で色んなコトを考えていたら――



『奈央〜!!奈央!!早く起きないと遅刻するわよ!!』



階下で叫ぶ母の声で、あたしは現実に引き戻された。



はいはい。



分かってるわよ。



携帯のアラームを7時にセットしてるケド、



なかなか起きれないよ。



だって寒いんだもん。



布団の中でゴロゴロしてるのが、また気持ちいいんだ‥‥。


トントントントン―――\r



母の階段を駆け上がって来る音がした。


『奈央!!』



バフッ――



母は、あたしの布団を引き剥いだ。



『いやん。さっ寒いよ、お母さん。』



『何が“いやん”なの!!さっさと起きなさい!!

今日から3学期でしょ?!』



『分かったわよ。』


しぶしぶ、ベッドから起き上がり、



あたしは、パジャマのままリビングへ下りた。



『ちゃんと朝御飯食べて行くのよ。』



『うん。先に着替えて来る。』



歯磨きと、洗顔を済ませてから自分の部屋へ戻り、



あたしは制服に着替えた。



久しぶりの制服――


新学期の朝って、



何か緊張する。



何でかな。



あっ!!ペンダント‥‥忘れちゃう!!


クリスマスに聖人からもらったお揃いのクロスのペンダント――



あたしは急いで身に付けた。



なんか‥‥安心する‥‥‥。



それから――



再び階段を下りて、


リビングのテーブルに着いた。



『ほら、奈央の好きなミルクティーと、フレンチトースト。』



『ありがとう。お母さん。』



フレンチトーストを一口かじった。



甘〜〜〜いっっ!!




『奈央。最近体の調子は、どうなの?!』



母が少し心配そうな声であたしに尋ねた。



『うん。1度急に息が苦しくなって、過呼吸じゃないのかと思ったコトがあったんだケド、そう言う事は、その1回きりだったから、大丈夫だよ。』



『本当なの?薬はちゃんと飲んでるの?!』



『うん。でも睡眠薬は、眠れないトキだけ飲んでる。』



『そう。飲まなくても眠れる様であれば、なるべくなら薬は飲まない方がいいわね。』



『うん。』

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