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奈央と出会えたから。<201>

[573]  麻呂  2008-08-26投稿
* * * * * *

『行って来ま〜す!!』



『はい。行ってらっしゃい‥‥あっ‥奈央!!』



新学期最初の“行って来ます”に、



母があたしを呼び止める。



『なぁに?!』



『その生足。なんとかならないの?!

北海道は寒いんだから、本州のコの真似しちゃだめよ。』



『大丈夫よ。みんな生足だもん。

あたしだけじゃないし。』



『女の子は体冷やしちゃ駄目よ。

特にあなたは‥‥。』



母の心配そうな視線は、あたしの下腹部辺りに向けられている。



『うん。大丈夫だから。寒かったら毛糸のパンツはくし。』


毛糸のパンツ――



一昔前ならダサくて、そんなモノはいてるコなんていなかった。



でも、今は逆に生足のコ達のウケがいい。



『‥‥そう。分かった。時代を感じるわねぇ。お母さんの頃は長いスカートが流行ったわよ。』



『今は生足なのっっ!!じゃ、お母さん。遅刻するから行くね!!』



『はいはい。行ってらっしゃい。』



外へ出ると、昨日から降り続いていた雪が、すっかり止んでいた。



雪に反射した太陽の光が、キラキラ輝いていて、とても綺麗だった。





『よっ!!おはよーさんっっ!!』



後ろから声がした。


『おはよ。聖人。』


そう。今日は3学期初の2人での登校だもんね。



『聖人、よく起きれたね?!』



『ふあぁぁぁ‥‥‥マジねみぃ。

だりぃし、帰りてぇ―。』



あくびをしながら目をこする聖人。



『あはは。まだ学校着いてないよ。』



あたしは思わず笑ってしまった。



『じゃあサボるか?!』



『3学期早々?!それはマズいよ。』



『バカ。冗談だよ。』



ポンッ――



聖人の手があたしの頭に優しく触れた――





『あ‥‥痛っ‥‥‥。』



突然、あたしの下腹部に痛みの波が押し寄せて来た。



『何?!何処が痛いの?!』



心配そうに顔を覗き込まれると困るんですケド‥‥。



ただの生理痛だから。



『何でもないよ。気にしないで。』



母の言うとおりだ。


体を冷やすとロクなコトがない。

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