奈央と出会えたから。<202>
確かに、去年のあの事が原因で母は、あたしの体に対して過剰反応気味ではあるけれど、
でもそれは、あたしのコトを思ってくれてるってコトだから、
本当は、感謝しないといけないんだよね。
『分かった。せーり?!』
え〜っっ?!
し、信じらんないっっ。
デリカシー無さすぎるよっっ。
『さ、さぁ〜。しっ知らないよっっ!!』
あたしは降り積もった新雪の中に手を入れ、雪玉をひとつ作った。
『聖人!!』
『あ???』
呼んだあたしの方を見た聖人。
『えいっっ!!』
あたしは雪玉を聖人に向かって投げた。
ボンッ――
雪玉は、聖人の胸の辺りに力無く当たった。
『バ―カ。何も効いてねぇよ。』
クールな顔から飛び出した言葉。
『聖人って何考えてんのか分かんない。
クールなトキと、そうじゃないトキがあるし。
あ、あたしは聖人みたいに、明けっ広げな性格じゃないもんっっ。』
ムキになるあたしもあたしだけど――
『俺、明けっ広げじゃねぇし。』
明けっ広げじゃない‥‥‥の?!
『‥‥ごめん。言い過ぎた。』
『いいよ。気にしてねぇから。』
新学期早々、ケンカなんて嫌だもんね。
『ね、ねぇ‥聖人って血液型は何?!』
とっさに思い付いた話題が血液型だったんだ。
『俺?!おー型。奈央は?!』
『あたしもO型。
あはっ。同じだね。』
やった☆
聖人と同じだ♪
『‥で、何?!俺がO型に見えねーって?!』
そうやって口を尖らせて、あたしの方を見るから――
『あはははは。』
思わず笑っちゃったよ。
その顔があまりにも面白かったんだ。
『僕、3月26日生まれ。O型の牡羊座です。繊細で傷付きやすい、硝子の心の少年です‥‥って。
これでいい?!』
『あはははは。O型が繊細で傷付きやすいって、あたし初めて聞いたよ。』
何で怒ってたのかさえ、忘れちゃってた―――\r
『ほらっっ。早く行かねぇと遅刻するぜ。
また渋川にうるせぇコト言われるのまっぴらだぜ。
行くぞ!!』
『う‥‥うんっっ。』
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