飛行機雲?
「離してよ。」
李遼の手を振りほどいたけど、もう逃げる気はなかった。
「ほんとに、無理しなく
ていいよ。保育園近いし
。休ませてもらって、
お母さん待つから。」
わたしの口調は、やわらいでいた。それでも、歩き出したわたしの後を、李遼はついてくる。
「あのね、ほんとに・・」
李遼は、言いかけたわたしをさえぎった。
「オレの家、そっち。」
「変な奴だと思ってるで
しょ?」
李遼と並んで歩きながら、わたしは聞いた。
「鈴木は、意外とはっき
りものをいうなあ。オレ
、女の子に面と向かって
生理中って言われたの初
めだから、びっくりした
。」
わたしは、恥ずかしくて黙っていた。
「痛いんだ。大変だな、
女の子って。」
李遼は、真面目な顔をしていた。女の子と連発されて、わたしは戸惑った。
「あんたこそ、よく喋る
ね。日本語上手くなって
るし。」
何とか、話題を変えたかった。
「テレビで勉強したから
。」
「へぇ、中国語講座とか
?」
「中国人が中国語講座見
てどうするんだよ。お笑
いとか、アニメとか。」
わたしは、目を丸くした。
「お笑い見るの?李遼。」
「まあね。リズムいいし
表情もあるし。」
「わかるの?ボケとか、
ツッコミとか。」
「わかるさ、今はね。」
こいつ、笑うんだ。髭男爵とか見て。想像すると、ちょっと怖い。
でも、笑える。
思わず吹き出して、こらえきれなくなった。ツボにはまったみたい。李遼も笑っている。つり目がたれ目に見えて、また笑える。笑うわたしを見て、李遼も笑う。
不思議と、笑っている間、痛みを忘れていた。
保育園に着くと、弟のキヨが
「お姉ちゃん、遅い。」
と、わたしを睨み付けた。こんな時、キヨがほんとに憎らしくなる。
「遅くなるときは、連絡
してね。キヨちゃん、待
ってたのよね?」
保育士の先生まで、味方につけて。
何でわたしが、こんな事言われなくちゃならないの?こっちの事情も知らないくせに、勝手な事ばかり。怒りをこらえながら、頭を下げる。
その時、わたしの背後から李遼が言った。
「鈴木、具合悪くて遅れ
たんです。ここでお母さ
ん待たせてやって下さい
。」
李遼の手を振りほどいたけど、もう逃げる気はなかった。
「ほんとに、無理しなく
ていいよ。保育園近いし
。休ませてもらって、
お母さん待つから。」
わたしの口調は、やわらいでいた。それでも、歩き出したわたしの後を、李遼はついてくる。
「あのね、ほんとに・・」
李遼は、言いかけたわたしをさえぎった。
「オレの家、そっち。」
「変な奴だと思ってるで
しょ?」
李遼と並んで歩きながら、わたしは聞いた。
「鈴木は、意外とはっき
りものをいうなあ。オレ
、女の子に面と向かって
生理中って言われたの初
めだから、びっくりした
。」
わたしは、恥ずかしくて黙っていた。
「痛いんだ。大変だな、
女の子って。」
李遼は、真面目な顔をしていた。女の子と連発されて、わたしは戸惑った。
「あんたこそ、よく喋る
ね。日本語上手くなって
るし。」
何とか、話題を変えたかった。
「テレビで勉強したから
。」
「へぇ、中国語講座とか
?」
「中国人が中国語講座見
てどうするんだよ。お笑
いとか、アニメとか。」
わたしは、目を丸くした。
「お笑い見るの?李遼。」
「まあね。リズムいいし
表情もあるし。」
「わかるの?ボケとか、
ツッコミとか。」
「わかるさ、今はね。」
こいつ、笑うんだ。髭男爵とか見て。想像すると、ちょっと怖い。
でも、笑える。
思わず吹き出して、こらえきれなくなった。ツボにはまったみたい。李遼も笑っている。つり目がたれ目に見えて、また笑える。笑うわたしを見て、李遼も笑う。
不思議と、笑っている間、痛みを忘れていた。
保育園に着くと、弟のキヨが
「お姉ちゃん、遅い。」
と、わたしを睨み付けた。こんな時、キヨがほんとに憎らしくなる。
「遅くなるときは、連絡
してね。キヨちゃん、待
ってたのよね?」
保育士の先生まで、味方につけて。
何でわたしが、こんな事言われなくちゃならないの?こっちの事情も知らないくせに、勝手な事ばかり。怒りをこらえながら、頭を下げる。
その時、わたしの背後から李遼が言った。
「鈴木、具合悪くて遅れ
たんです。ここでお母さ
ん待たせてやって下さい
。」
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