飛行機雲?
さっきまで、キヨを鬱陶しいと思っていた。李遼は、ほんとのわたしを知らない。
「あんたこそ。」
続きが出てこない。
「あんたこそ、朝、その
・・・大丈夫だった?
痛かったでしょ?」
急に、胸がざわついた。
「どうってことないよ。」
沈黙。
「ねえねえ、自転車こい
で。」
気まずい間に割り込んできたのは・キヨだった。
キヨは、誰にでもワガママを言う。
「駄目。あんまりお姉ち
ゃんを困らせるな、男だ
ろ?大人しくしてたら、
また乗せてやる。」
意外にも、キヨは素直に頷いた。そして、機嫌よくまた歌い出した。
「子供の扱い、上手いね
。弟いるの?」
「オレ、こっち。兄貴が
いる。」
李遼は、キヨの方を見て言った。
「兄貴もう30過ぎてる
から、親みたいなもの。
ずいぶん面倒かけた。」
「親、共働きだったの?」
「オレが二歳ぐらいの時
、たて続けに死んだ。」
わたしは立ち止まった。 「ごめん。」
李遼は笑った。
「気にするな。だからオ
レ、兄貴に育てられたん
だ。今は結婚したからい
いけど、きつかっただろ
うな。」
わたしは黙って聞いていた。
「子供って、優しい人に
は、とことん甘えるから
なあ。それで、鈴木が大
変だろうって思っただけ
だよ。」
優しい?わたしが?やめてよ、何言ってるの?わたしはあんたのお兄さんみたいな人間じゃないよ。何も一生懸命やらなくて、面倒臭い事はやりたくないし、友達付き合いだってうわべだけ。頭がぐるぐるする。
「鈴木ってさ、ハルって
名前だよな。」
いきなり話題が変わる。
「そうだけど。」
「それって、季節の春?」
「そう。カタカナだけど
。ひいおばあさんの名前
もらったんだって。
今時、ないよね。みんな
サヤとかマイとか雰囲気
あるのにね。」
「好かれてたんだ、その
人。」
わたしは面食らった。
「でなきゃ名前なんても
らわないよ。」
「そうかな。」
「いい名前だな、よく似
合ってて。
そんな事言われたの初めてだった。頬が熱い。
「あんたこそ。」
続きが出てこない。
「あんたこそ、朝、その
・・・大丈夫だった?
痛かったでしょ?」
急に、胸がざわついた。
「どうってことないよ。」
沈黙。
「ねえねえ、自転車こい
で。」
気まずい間に割り込んできたのは・キヨだった。
キヨは、誰にでもワガママを言う。
「駄目。あんまりお姉ち
ゃんを困らせるな、男だ
ろ?大人しくしてたら、
また乗せてやる。」
意外にも、キヨは素直に頷いた。そして、機嫌よくまた歌い出した。
「子供の扱い、上手いね
。弟いるの?」
「オレ、こっち。兄貴が
いる。」
李遼は、キヨの方を見て言った。
「兄貴もう30過ぎてる
から、親みたいなもの。
ずいぶん面倒かけた。」
「親、共働きだったの?」
「オレが二歳ぐらいの時
、たて続けに死んだ。」
わたしは立ち止まった。 「ごめん。」
李遼は笑った。
「気にするな。だからオ
レ、兄貴に育てられたん
だ。今は結婚したからい
いけど、きつかっただろ
うな。」
わたしは黙って聞いていた。
「子供って、優しい人に
は、とことん甘えるから
なあ。それで、鈴木が大
変だろうって思っただけ
だよ。」
優しい?わたしが?やめてよ、何言ってるの?わたしはあんたのお兄さんみたいな人間じゃないよ。何も一生懸命やらなくて、面倒臭い事はやりたくないし、友達付き合いだってうわべだけ。頭がぐるぐるする。
「鈴木ってさ、ハルって
名前だよな。」
いきなり話題が変わる。
「そうだけど。」
「それって、季節の春?」
「そう。カタカナだけど
。ひいおばあさんの名前
もらったんだって。
今時、ないよね。みんな
サヤとかマイとか雰囲気
あるのにね。」
「好かれてたんだ、その
人。」
わたしは面食らった。
「でなきゃ名前なんても
らわないよ。」
「そうかな。」
「いい名前だな、よく似
合ってて。
そんな事言われたの初めてだった。頬が熱い。
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