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飛行機雲?

[174]  2008-08-30投稿
李遼はわたしの傘を拾って雨水を切った。
「行こう。せめて雨があ
たらないところまで。」
李遼に促されて、歩き出した。わたしの傘はしばらく使えない。
「鈴木。」
「何?」
李遼の顔を見上げる。
李遼は前を向いたままだった。
「オレ、女の子誘ったの
初めてだから。」
「うん。」
「オレ、鈴木の事、好き
だから誘った。」
「うん。ありがとう。嬉
しいよ。」
「ほんとに?」
「うん。」
李遼の顔が赤くなった。
「鈴木ってさ、オレの事
李遼って呼ぶよな。」
「うん。」
二人の歩調は同じ。
「オレも鈴木ハルって呼
ぼうかな。」
あ、そういう感じなんだ。
「ハルでいいよ、面倒く
さい。」
李遼は、大きく息を吸った。
「ほんとは、緊張してる
んだ、ものすごく。」
「うん。」
「ハル、オレの事、どう
思ってる?」
「好きだよ。」
「ハル。」
「何?」
「オレ、今、かなりヤバ
い。」
「なんで?」
「ハルが好きでたまらな
い。」
「わたしも。」
李遼の手がそっとわたしの手に触れて、そのまま
握りしめた。
「オレさ、ハル。日本に
来て、今が最高に幸せ。

「大げさだよ。」
「本当だよ。ハルと話し
始めてから、毎日が楽し
かった。」
「李遼がいてくれて良か
った。」
つないだ手に力が入った。
「ちゃんと付き合おう、
オレ達。ハルは、オレの
彼女だ。」
「李遼は、わたしの彼。」
ひとつの傘の中で、顔を見合わせた。李遼の唇がわたしの唇に重なった。
ほんの一瞬だったけど、
今までキスなんて気持ち悪いと思ってたけど、こんなにも好きな人となら、こんなにも嬉しいんだね。
マイの事で暗くなっていた気持ちが、嘘のように晴れていく。ごめん、マイ。だけど、わたし、李遼を大切にするよ。ほんとに、ほんとに大切にするから、許してね、マイ。
李遼の中には、すごくきれいな水が流れていて、
汚れたわたしの中身を洗い流してくれる。李遼といると素直になれる。
李遼の優しさが、わたしも優しくしてくれる。

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