RPG−6
家を出て少し歩くと、みんなが自分を見ていることに気づいた。村といってもビルや大きな建物がないだけで小さな町だ。見慣れないからといってそんな珍しそうに見られるのは違和感を感じる。服だってレイに借りたグレーのシャツにズボンなのに。
「私って、もしかして目立ってる?」
鎧を脱いだ軽装のレイは思っていたよりずっと細身だったけれど、腕や足の筋肉が見えて、さすが勇者見習いだと関心する。
「んー、目立ってるといえばそうかな。異国の匂いがするんだ」
「そうかなあ。昨日も言ってたよね、異国の匂いって。どこらへんが違うのかなあ」
レイが首をかしげ、私の髪を一房手に取った。そしてすぐに手を離して、ほんのり顔を赤くした。我に返ったという感じだった。
「ごめん。あたし何してんだろ」
そう言ってずんずん進んでいく。カナはくすりと笑ってレイの横に並んだ。
2人が向かっているのは昨夜言われていた通り村長の家だ。どんな人かと聞いたら普通だよと返されたから、ゲームによくいる白髭のおじいさんを想像している。
「レイ、お隣りの可愛いお嬢さんは誰だい?」
声の主は心持ち目尻が下がった優しそうな青年だ。軽薄な第一声がなければカナへの印象はもっと良かったはずだ。小さく会釈し、レイはと見れば面倒くさそうな顔をしている。自分が立ち止まっていなければ無視したんじゃないかと思った。
「急いでるから、じゃあ」
冷たく言ってさっさと歩き出すので驚いているついていくと、レイがカナの腕を引っ張って前を向いたまま耳打ちした。
「あいつはこの村1番の女ったらしだ、気をつけろよ」
「えっ」
どうやらここも現実もたいして変わらないらしい。穏やかそうに見えたあの青年を思い出して心の中で首を振った。
「なるほどね」
短髪に精悍な顔、がっしりした体つきのこの男。これがビガ村の村長だ。普通じゃないじゃない!心の中で叫んだ。想像とのギャップが激しすぎた。
「俺には分からんが、向こう島のビヨドに行けばディーシャという学者がいる。彼に聞くべきだな」
さらっと他人任せにされた。ショックを受けたが、レイは神妙にうなずいている。そういうものなのかもしれない。と思ったら今度は深々とお辞儀をして、そしてくるりときびすを返して部屋を出た。そ、そういうものなのかなあ。話した時間なんてほんの5分程度。村長ってもっと具体的なこと教えてくれるものじゃないの?
「私って、もしかして目立ってる?」
鎧を脱いだ軽装のレイは思っていたよりずっと細身だったけれど、腕や足の筋肉が見えて、さすが勇者見習いだと関心する。
「んー、目立ってるといえばそうかな。異国の匂いがするんだ」
「そうかなあ。昨日も言ってたよね、異国の匂いって。どこらへんが違うのかなあ」
レイが首をかしげ、私の髪を一房手に取った。そしてすぐに手を離して、ほんのり顔を赤くした。我に返ったという感じだった。
「ごめん。あたし何してんだろ」
そう言ってずんずん進んでいく。カナはくすりと笑ってレイの横に並んだ。
2人が向かっているのは昨夜言われていた通り村長の家だ。どんな人かと聞いたら普通だよと返されたから、ゲームによくいる白髭のおじいさんを想像している。
「レイ、お隣りの可愛いお嬢さんは誰だい?」
声の主は心持ち目尻が下がった優しそうな青年だ。軽薄な第一声がなければカナへの印象はもっと良かったはずだ。小さく会釈し、レイはと見れば面倒くさそうな顔をしている。自分が立ち止まっていなければ無視したんじゃないかと思った。
「急いでるから、じゃあ」
冷たく言ってさっさと歩き出すので驚いているついていくと、レイがカナの腕を引っ張って前を向いたまま耳打ちした。
「あいつはこの村1番の女ったらしだ、気をつけろよ」
「えっ」
どうやらここも現実もたいして変わらないらしい。穏やかそうに見えたあの青年を思い出して心の中で首を振った。
「なるほどね」
短髪に精悍な顔、がっしりした体つきのこの男。これがビガ村の村長だ。普通じゃないじゃない!心の中で叫んだ。想像とのギャップが激しすぎた。
「俺には分からんが、向こう島のビヨドに行けばディーシャという学者がいる。彼に聞くべきだな」
さらっと他人任せにされた。ショックを受けたが、レイは神妙にうなずいている。そういうものなのかもしれない。と思ったら今度は深々とお辞儀をして、そしてくるりときびすを返して部屋を出た。そ、そういうものなのかなあ。話した時間なんてほんの5分程度。村長ってもっと具体的なこと教えてくれるものじゃないの?
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