マイナス×マイナス 1
都会独特の茹だるような暑さが、歩く実穂(ミホ)の体力を容赦なく奪った。
実穂はもう二十歳で、そろそろ親からも独立して良い頃だというのに就職活動はおろかアルバイトすらしていなかった。
理由は簡単なことだったが、実穂にとって致命的なことでもあった。
中心市街地を離れ、涼しげな木陰のある公園に入った。
実穂は口元に一瞬、笑みを浮かべ近くのベンチに腰を下ろした。
(ここでつい3年前はストリートダンスの猛練習してたんだな…。)
高校時代の思い出が実穂の脚をこの公園に向かわせていた。
ダンス仲間は今は誰も連絡がつかなくなった。
まるで初めからいなかったかのように、実穂の前からことごとく消え去った。
公園の反対側に陽炎が見えた。
(暑いなー…。今日は特に暑い。)
実穂がこの暑さの中、一人ふらついているのには理由があった。
家にいるだけで両親から就職先についてガミガミ言われるのだった。それに耐えかねて実穂は公園に逃げてきたのだった。
実穂はアルバイトを辞めた理由も両親には言っていなかった。
実穂はもう二十歳で、そろそろ親からも独立して良い頃だというのに就職活動はおろかアルバイトすらしていなかった。
理由は簡単なことだったが、実穂にとって致命的なことでもあった。
中心市街地を離れ、涼しげな木陰のある公園に入った。
実穂は口元に一瞬、笑みを浮かべ近くのベンチに腰を下ろした。
(ここでつい3年前はストリートダンスの猛練習してたんだな…。)
高校時代の思い出が実穂の脚をこの公園に向かわせていた。
ダンス仲間は今は誰も連絡がつかなくなった。
まるで初めからいなかったかのように、実穂の前からことごとく消え去った。
公園の反対側に陽炎が見えた。
(暑いなー…。今日は特に暑い。)
実穂がこの暑さの中、一人ふらついているのには理由があった。
家にいるだけで両親から就職先についてガミガミ言われるのだった。それに耐えかねて実穂は公園に逃げてきたのだった。
実穂はアルバイトを辞めた理由も両親には言っていなかった。
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