携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> マイナス×マイナス 3

マイナス×マイナス 3

[169]  輪廻  2008-09-02投稿
泣きながら眠ってしまったのか、気絶してしまったのか。
いずれにせよ体は寒かった。

雨が降っていた。

若い男が傘もささずに、実穂を心配そうに見つめている。

「お姉さん、家出!?何でもいいけどウチそこのアパートだから雨宿りしていきなよ!雨がスゴいから!」

話しているうちに急速に雨足は強くなる。

実穂はぼーっとする頭を動かすこともせず、男に連れられて行った。

(私このまま誘拐されて…この人にされるがまま…なのかな……何でもいいや…。)

実穂が次に目を覚ましたのは、携帯の着信音が響いた時だった。
聞き覚えのある着信音だった。
「あ……!お母さんから…。」

実穂は母親からのメールにがく然とし、また泣きそうになった。

¨なかなか帰って来ないけどやっと就職先見つかったの?¨

¨返事下さい。お父さんが就職先見つかったのかって怒ってるから。¨

自分の心配より就職先の心配しかしなくなってしまった両親。

こんな知らない男の部屋なのに自宅より落ち着いてしまう自分が、実穂は嫌になった。

やかんの湯が沸騰した音が響き、すぐ止まった。
先ほどの若い男はキッチンにいるのだろう。

なかなか広いアパートだった。

バッグの中身も無事であり、何より自分が無事だったので、実穂は礼を言いたくなった。

感想

感想はありません。

「 輪廻 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス