マイナス×マイナス 6
誰かに慰めてもらうのも久し振りだった。
いや、全て久し振りだった。
誰かに温かいココアを淹れてもらったのも。
こんなに長い時間誰かと話していたのも。
人に触れたのも。
寒気が実穂を襲った。
このまま帰れば二度とヨージには会えないだろう。
そしていつかは誰ともダンスの話をしなくなり、ダンスに明け暮れた日々も忘れ、ダンス仲間がいたことも忘れ…。
実穂はヨージの胸にすがって、必死に言葉を絞り出した。
「帰り……たく…………ない。」
「いいですよ…。気の済むまで居てもらって。」
二十歳の女が十七の男の子の世話になるという事実が、実穂をさらに惨めにさせたが、とにかく今は帰りたくはなかった。
雨は一層、強さを増していた。
いや、全て久し振りだった。
誰かに温かいココアを淹れてもらったのも。
こんなに長い時間誰かと話していたのも。
人に触れたのも。
寒気が実穂を襲った。
このまま帰れば二度とヨージには会えないだろう。
そしていつかは誰ともダンスの話をしなくなり、ダンスに明け暮れた日々も忘れ、ダンス仲間がいたことも忘れ…。
実穂はヨージの胸にすがって、必死に言葉を絞り出した。
「帰り……たく…………ない。」
「いいですよ…。気の済むまで居てもらって。」
二十歳の女が十七の男の子の世話になるという事実が、実穂をさらに惨めにさせたが、とにかく今は帰りたくはなかった。
雨は一層、強さを増していた。
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