マイナス×マイナス 8
「なるほど、これが答えか。」
ヨージは学校で出された数学の宿題を実穂に教えてもらっていた。
「ヨージくんてば、結局私がほとんど解いたみたいになっちゃったじゃない。」
「ほんとだ。これで終わりか。」
二人は笑い合った。
「は〜、ヨージくんといると弟が出来たみたいで楽しいな。」
「俺も、優しいアネキが欲しいです。俺、一人っ子なんで。」
「私も。…似てるね、私たち。」
じっとヨージと見つめ合う時間は何とも不思議なものだった。
恋愛感情かもしれない。
しかし何か別の、母性愛すら感じさせるヨージの瞳が、実穂には何とも言えない感情だった。
「私はこんなダメダメな生き方だけど、ヨージくん……ヨージなら、ちゃんと自分でやってける。現に今、一人暮らしじゃない?」
高校3年ともなれば、実穂同様、就職か進学を迫られる。
その相談をヨージから持ちかけられた。
「ミホさんて、絶対幸せになるべき人だと思います。こんなに優しい人だから。」
実穂は首を振った。
心の底からヨージの方が幸せになるべきだと思った。
「ヨージ。強く生きてね。私みたいになんかなっちゃダメだよ。」
ヨージは学校で出された数学の宿題を実穂に教えてもらっていた。
「ヨージくんてば、結局私がほとんど解いたみたいになっちゃったじゃない。」
「ほんとだ。これで終わりか。」
二人は笑い合った。
「は〜、ヨージくんといると弟が出来たみたいで楽しいな。」
「俺も、優しいアネキが欲しいです。俺、一人っ子なんで。」
「私も。…似てるね、私たち。」
じっとヨージと見つめ合う時間は何とも不思議なものだった。
恋愛感情かもしれない。
しかし何か別の、母性愛すら感じさせるヨージの瞳が、実穂には何とも言えない感情だった。
「私はこんなダメダメな生き方だけど、ヨージくん……ヨージなら、ちゃんと自分でやってける。現に今、一人暮らしじゃない?」
高校3年ともなれば、実穂同様、就職か進学を迫られる。
その相談をヨージから持ちかけられた。
「ミホさんて、絶対幸せになるべき人だと思います。こんなに優しい人だから。」
実穂は首を振った。
心の底からヨージの方が幸せになるべきだと思った。
「ヨージ。強く生きてね。私みたいになんかなっちゃダメだよ。」
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