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桜の木とともに

[394]  キョウスケ  2008-09-04投稿
「本当のこと言ってよ?」問いつめ続けていた私に、「言っても、大和君には関係ないから。気にしないで」
私を見ずに答える桜。
「関係あるとかないなんて、どっちでもいい。桜が苦しんでいるのを見てる方が嫌だ」
私の言葉に対して、睨むように見つめてくると、
「じゃあ、何ができるの?」
「え?」
「大和君に、私の病気が治せるの?」
問いつめる立場が逆転していた。
「それは、その……」
「私、あと少しで死んじゃうんだよ?大和君とずっと一緒になんて、いれないのっ!」
桜は涙を流しながら、言ってくる。
「死なせないから」
小さい声で答える私。
「うっ、ひっく、ひっく……」
桜は泣き続けている。
「オレが桜を守るから。病気は治せなくても、ずっと一緒にいるから」
泣いてる彼女の両肩を、がっしりと掴みながら言うと「いつ、倒れるかわからないんだよ?迷惑ばかりかけてもいいの?」
「俺が支えるから。桜の隣で、ずっと」
じっと桜を見つめていると「大和君、好きです」
「俺も、桜のことが好きだよ」
二人の気持ちが、一緒になった瞬間だった。
この時から私達は、これから待ち受ける辛い現実の、長い階段を上り始めようとしていた。

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