時と空の唄4-2
マーガックに着くと四人を待っていたのは活気に溢れる市場や露店だった。
ここで御神家の分家を訪ねる前に食料やら装備やらを揃えた。
いくら分家でもいきなりやって来た本家と名乗る少女に家宝を渡してはくれないだろうと思ったのだ。勿論、万が一のときに備えて。
「さて、と。そろそろ参りましょうか。」
広い町を奥へ奥へ行くと町の雰囲気とは違う日本家屋の屋敷が広々と建っていた。
「なんか緊張する〜」
雪がどんどん中へ入って行き、それについていくと紫の座布団に座る男がいた。「雪殿、久しゅうございます。」
「挨拶をありがとう、叔父上殿。」
「…して、この度は一体?トーレが壊滅だとか。」
「ええ。私にも何が起こったかはわかりません。」
そうですか、と男は俯いた。表情は見えない。
「それで、盾はありますか?」
「盾…ですか。…イツキ!イツキ!」
襖を開けて雪より少し年上らしい少年が入ってきた。「イツキ…!お久しぶりですね!」
雪は心から再会を喜んでいるようだった。
「…このイツキが盾の保存場所まで案内します。」
「お願いします。」と言って席を立った。
イツキの案内でやって来たのは町の裏手にある滝裏だった。
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