ロストクロニクル序章―4
「実はルパスがこのパラスに宣戦布告してきたんじゃ」
相変わらず慌てた様子で語り始めた。
「じゃあ、戦争ってことですか」
「まぁ、最後まで聞きなさい。そこで我々は神から授かった不死鳥を呼び覚まそうとしたんじゃ」
「不死鳥はこの城の中にあるんですか」
国王は苛々したように「だから、最後まで聞きなさい!」とさっきよりも強い口調になった。
「この城の最上階に不死鳥を呼び覚ますための石盤があるんじゃ。その中に神から授かった『木彫りの不死鳥』をはめ込めば不死鳥が復活するのじゃが、その『木彫りの不死鳥』がなくなっていたんじゃ」
「どこにいったんですか?」
タクトは恐る恐る聞いてみた。
「分からん。恐らくルパスのスパイじゃ。前にもルパスのスパイが来たんじゃ。そのときは見つけたんじゃがな」
いかにも絶望的といった感じで国王は話した。
「どうするんですか?」
「なーに、心配には及ばん。不死鳥は神からの贈り物、パラスから出ることはできんのだ」
「で、困った国王は俺たちにどうしてほしいんだっけ?」
ウェイトは国王に促すように問い掛けた。
「そこでじゃ、君たち二人に不死鳥を探してきてもらいたい」
「・・・えっ?」
国王の顔を見、ウェイトの顔を見た、その顔はどこか冒険に誘っているようにも見える。
「どうして、ぼくたちなんですか」
「ウェイトの剣の腕は兵士顔負けだ。そして、なによりタクトのダイヤモンドをも切り裂ける堅さを持つベルズ鉱石で造られた剣だ」
滅茶苦茶だ、タクトは心からそう思った。
「タクト君、もう時間は無いんだ。頼む引き受けてはくれんか。君の妹とおばあさんは城で面倒を見るから」
国王は妙に優しい声で説得してくる。
「どうして兵士さんたちが行かないんですか」
タクトは真剣な目で質問した。
「・・・兵士は手一杯なんじゃ」
恥ずかしそうに答える。
「不死鳥はどの辺りにあるか分かりますか」
「いや〜、そのじゃな」
「分からないんですね」
国王は小さく頷いた。
「・・・わかりました・・・引き受けます」
「よいのか?」
「ぼくの父なら引き受けると思いますから」
タクトは静かにそう言った。
「ウェイトも行くんだろ」
「当たり前だろ」
「二人共ありがとう。感謝するぞ」
こうして二人の不死鳥を巡る旅が始まった。
相変わらず慌てた様子で語り始めた。
「じゃあ、戦争ってことですか」
「まぁ、最後まで聞きなさい。そこで我々は神から授かった不死鳥を呼び覚まそうとしたんじゃ」
「不死鳥はこの城の中にあるんですか」
国王は苛々したように「だから、最後まで聞きなさい!」とさっきよりも強い口調になった。
「この城の最上階に不死鳥を呼び覚ますための石盤があるんじゃ。その中に神から授かった『木彫りの不死鳥』をはめ込めば不死鳥が復活するのじゃが、その『木彫りの不死鳥』がなくなっていたんじゃ」
「どこにいったんですか?」
タクトは恐る恐る聞いてみた。
「分からん。恐らくルパスのスパイじゃ。前にもルパスのスパイが来たんじゃ。そのときは見つけたんじゃがな」
いかにも絶望的といった感じで国王は話した。
「どうするんですか?」
「なーに、心配には及ばん。不死鳥は神からの贈り物、パラスから出ることはできんのだ」
「で、困った国王は俺たちにどうしてほしいんだっけ?」
ウェイトは国王に促すように問い掛けた。
「そこでじゃ、君たち二人に不死鳥を探してきてもらいたい」
「・・・えっ?」
国王の顔を見、ウェイトの顔を見た、その顔はどこか冒険に誘っているようにも見える。
「どうして、ぼくたちなんですか」
「ウェイトの剣の腕は兵士顔負けだ。そして、なによりタクトのダイヤモンドをも切り裂ける堅さを持つベルズ鉱石で造られた剣だ」
滅茶苦茶だ、タクトは心からそう思った。
「タクト君、もう時間は無いんだ。頼む引き受けてはくれんか。君の妹とおばあさんは城で面倒を見るから」
国王は妙に優しい声で説得してくる。
「どうして兵士さんたちが行かないんですか」
タクトは真剣な目で質問した。
「・・・兵士は手一杯なんじゃ」
恥ずかしそうに答える。
「不死鳥はどの辺りにあるか分かりますか」
「いや〜、そのじゃな」
「分からないんですね」
国王は小さく頷いた。
「・・・わかりました・・・引き受けます」
「よいのか?」
「ぼくの父なら引き受けると思いますから」
タクトは静かにそう言った。
「ウェイトも行くんだろ」
「当たり前だろ」
「二人共ありがとう。感謝するぞ」
こうして二人の不死鳥を巡る旅が始まった。
感想
感想はありません。