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都市脱出ゲーム 第五章

[935]  NemeshiS  2008-09-15投稿
「巫山戯んな!!!」
スキンヘッドにタトゥーを入れた不良なような学生が、怒鳴り散らす。

「テメェら政治家か知らねぇが、イカれた奴が俺の仲間を殺したんだぞ!?」

「仕方ありません。貴方達は屑同然なのですから。」

「テメェ!!!」
男の身体が怒りに震えている。
今にもスクリーンに飛び掛からんとする勢いだ。

「生き延びるにはこの街から早く脱出することですね…」
さらにスクリーンに映る仮面の男が挑発する。

「巫山戯んな!!テメェ、今すぐぶっ殺すからな!!」
途端に走り出す、学生。

「駄目だ…!!!」
拓也が呟く。

「うぉおぉおぉ!!!!」

もの凄い勢いで走り出す。
だが、第一エリア入口、と書かれたゲートを通った瞬間、様子がおかしくなった。
いきなり立ち止まる。
落ちた。

腕が、クチャリ、音をたてて。
しかし男は苦痛に叫んだり、自分の身体を見ることはない。
ゆっくり、2、3歩、歩んだ。その次に、こけた。

いや…こけたのではなかった。

足が無くて、立てないのだ。
足が、ちぎれていた。

最後に頭がころころ…と、まるで、サッカーボールのように、地面を転がる。

よく見れば、ゲートから無数の鋭利な刃物が剥き出しになっていた。

そして瞬く間にバラバラになった男の周りは、真っ赤に染まりだした。


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