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奈央と出会えたから。<223>

[574]  麻呂  2008-09-17投稿

2月に入って――



明日はバレンタイン♪



そして――



此処はあたしの家。


『奈央ちゃん。センター用のスィートチョコのテンパリングは出来た?!』



『はい。出来ましたよぉ。ミズホさん。』



そう――



あたしはミズホさんと2人で、バレンタインチョコを製作中。



2種類のトリュフを作るコトにしたんだ。



一つは普通のトリュフ。



もう一つはイチゴのトリュフ。



今、あたしは普通のトリュフのセンター用になるスィートチョコを、



ミズホさんは、イチゴのトリュフのセンター用になるイチゴチョコを、



それぞれテンパリングしている。



『じゃあ、温めた生クリーム入れるよ?!いい?!』



『はいっっ!!オッケーですっっ!!』


ゴムベラで手早くかき混ぜて――



『奈央ちゃん。手つきいいわね!!

じゃあ、あたしがオレンジキュラソーを‥‥‥。』



ミズホさんが計量スプーンで、オレンジキュラソーを量って入れる。



『センター用のチョコは、冷蔵庫で冷やしておいて、次はコーティング用のチョコをテンパリングしようか。』



『はい。』



ボールにお湯を入れて、ゆっくりとチョコを溶かしていく。


『奈央ちゃん。このチョコは、パティシエ御用達のクーベルチュールチョコだから、そのまま食べても美味しいのよ。』


『はい。さっき、つまんで食べちゃいました。』



コーティング用のチョコも、勿論2種類。



ミズホさんは、イチゴのチョコ、



あたしはスィートチョコをそれぞれテンパリング。



コーティング用チョコをテンパリングしたら、



後は程好く固まった、センター用のチョコを手で丸めて、コーティングするだけ。



北海道の冬って凄く寒いから、チョコを冷蔵庫に入れなくても、ちょっと涼しい場所に置いておくだけでも固まるんだ。


だから、チョコを作るには、凄く恵まれた環境なんだ。



センター用になるチョコを手で丸める作業をしながら、



あたしは、ミズホさんとサトル君が、受験戦争真っ只中だと言うコトを思い出した。

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