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奈央と出会えたから。<225>

[514]  麻呂  2008-09-19投稿

『ホントですか?!』



あたしのチョコを持つ手が止まる。



『ホントよぉ。いやだぁ、奈央ちゃん。そんなにビックリしないでよ。

そんなの人それぞれだと思うし、焦ってするものでもないじゃん?!

前にも言ったケド、奈央ちゃん、自分を大切にしなくちゃだめよ!!』



『は‥はいっっ。』


ミズホさんの言うコトは、もっともだと思うケド――



ミズホさんとサトル君が、



キスもまだなんて――



ホント、ビックリした――



そして――



心の中で考えていた――



あたしには――



何時か聖人とひとつになれる日が来るのかなって――



『奈央ちゃん。チョコをコーティングしたら、ココアパウダーの上でチョコをコロコロ転がすのよ♪』



ミズホさんに、そう言われてハッとした。



いけないっっ。



ボーっとしてた。



『はい。普通のトリュフの方だけココアパウダーをまぶすんでしたよね。』



フォークを持って、バットに入ったココアパウダーの中で、チョコを転がす。



トリュフがコロコロ、行ったり来たりするのを見ながら、



あたしは、また考えていた――



あたし――



本当に――



この汚れた体を、



聖人に見せられるのかな――



『!!!』



その時――



あたしは、妙な息苦しさを感じた――



それは、大晦日のトキと同じ感覚――



くっ‥‥苦しっっ―ー‐‥‥‥



あたしは、その場にしゃがみ込んだ――


『奈央ちゃん?!どうしたのっっ!!』


あたしの異変に、ミズホさんは、直ぐに気付いてくれた。



でも――



あたしは、その息苦しさから声を発するコトが出来ない。



何これ?!



あたし――



もしかして過呼吸?!



『はぁ‥はぁ‥はぁ‥はぁ‥‥‥苦しっ‥‥苦しいっっ‥‥た、助けてっっ―ー‐』

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