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分岐点の魔女

[276]  岬 登夜  2008-09-20投稿
人は幾つにも枝別れした人生を選びながら歩いている。過去を振り返り違う選択をしていたらと思ってもそれは済んでしまったこと……


本当に?


目を覚ますと暗闇の中。
「ここは…どこ…?」
鼓動が早くなるのが判る

明かりが近づいてくる。

「誰…なの?」
明かりはゆっくりと杏子の前で止まる。
黒いマントを深く頭から被った髪の長い人。


「私は紗羅。ここは時空の狭間」

不思議と怖くない

「どうして私ここに?」
フッと紗羅が笑った気がした

「強く願ったでしょう? 戻りたいと」

「戻れるの?」
杏子は身を乗り出した

間を置いて紗羅は答えた
「戻りたいところまで。ここはそういう場所。だけど」

紗羅はさっきよりも少し長く間を置いた
「だけど、今より幸せになるかどうかは判らない。戻らないほうが幸せという事も。決めるのはあなた」

何の迷いもなく言い切った
「戻るわ。今より不幸なんてありえない」

深いため息を吐き紗羅は言った
「願いなさい。強く」

杏子は願った。あの日に戻りたいと…



目を開けると明るい日差しが広がっている。
「今、眠ってただろう?」
懐かしい声がする。
「海斗、よかった」
目の奥が熱くなる。
「何泣いてんだよ」
笑ってえくぼが出る。杏子の1番好きな顔。
「何でもない」
そう答えるのが精一杯

いつも通り帰路につく


そう、もう少し。あの角を曲がって…



気が付くと病院のベットの上。泣いている杏子の両親。そして海斗
「気がついたのね。判る?お母さんよ」
声がでない。身体も動かない。動く瞼で合図を送る。
わあぁと泣き崩れる母親


これでいいの。杏子は心の中で笑う。


あの日事故に合ったのは海斗だった。私を庇って。あれから私はずっと動かない、話さない海斗に一生を捧げ、疲れ果てていた。事故に合うのが私ほうならと。

さあ海斗。これから一生を私に捧げるのよ。誰も愛さず私だけを見て…

だけど海斗は去っていった

女の子が飛び出して来たと通行人が証言。その前に私が泣いていたと海斗が話して私は自殺未遂を起こした事となった。



ほらね、とどこからか紗羅の声が聞こえた…


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